アイラモルトの女王と称される「ボウモア」とは?伝統ある3つの特徴とおすすめの飲み方を紹介

「晩酌用におすすめのボウモアのボトルがあれば知りたい」
「ボウモアに詳しくなり、アイラモルトを極めたい」


ウイスキーが好きという方は多いですよね。しかし自分が好きなブランドのレギュラーボトルがあるという方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、日々の晩酌用におすすめできるウイスキーとして「アイラ・モルトの女王」と称される「ボウモア」についてご紹介します。


ボウモアは数多くの名作ウイスキーを生み出す、ウイスキーの聖地アイラ島で作られています。アイラモルトの知識を得たい方も必見です。ぜひお楽しみください。

目次

ボウモアとは?


数多くのウイスキーが生まれるスコットランドのアイラ島。世界のウイスキー好きを唸らせる銘柄の産地です。


その中でも「ボウモア」は「アイラ・モルトの女王」と称されるアイラ島の代表格。滑らか口当たりでありながら、しっかりとアイラ特有のピートによるスモーキーさを堪能できる一品です。

ボウモアの蒸留所


ボウモアは複数の蒸留所が稼働しているアイラ島のなかでも歴史ある蒸留所です。いまもなお職人の手による伝統的な製法での生産が続いています。


貯蔵庫は海に直接面した海抜0メートルに場所にあります。そのため海の天候や潮風などが成分や香りに影響するのが特徴。そのためボウモア蒸留所でしか作れないユニークなウイスキーが生産されています。

ボウモアの歴史


ボウモア蒸留所は1779年創業。アイラ島にあるアイラ・モルトの蒸留所の中でもっとも歴史がある蒸溜所のひとつです。そもそも「ボウモア」とはゲール語(アイルランド公用語)で「大きな岩礁」という意味。


海岸の岩礁を削り取り整地した場所が貯蔵に理想的な環境で、開業当初から今に至るまで貯蔵環境は変わっていません。1994年にサントリーホールディングスがボウモアを完全子会社化し、経営・販売などを行なっています。

ボウモアの製法


ボウモアが「アイラ・モルトの女王」として愛されているのは、歴史や風土だけではありません。その製法に愛される理由があります。ボウモアの特筆すべき製法における3つのポイントをご紹介。

特筆すべき製法

1、仕込水
ボウモア蒸溜所近くを流れるラガン川を源とする水を使用しています。この湧き水は、ピート層をくぐり抜けて湧いているため、清水ながらピートの影響を受けたウイスキー作りに最適な良質の軟水です。


2、フロアモルティング
発芽床へ麦を移し、一定の温度に保ち発芽させる製麦工程。工程には人の手による「フロアモルティング」という方法と機械の方式の2種類があります。生産性を重視し、機械で行う蒸留所が大半だが、ボウモアではいまもなお、人の手による「フロアモルティング」が残っています。


3、品質の高い樽
良い樽は、熟成の質を高め、レベルの高い原酒が誕生。サントリー社が樽の研究開発を行なっており、ボウモアの生産に適した樽が管理されています。


ボウモアが人気になった3つの理由


ボウモアが世界中のウイスキーファンから愛されるのには3つの理由があります。高評価を受けるのも納得の高品質さを確認しましょう。

海藻を含んだピートで乾燥


フロアモルティング製法により発芽した麦芽をピートを焚いて乾燥させます。このピートは海風によって運ばれてきた海草のヨード香りを強く含んでいるもの。


海に面している蒸留所の特徴です。そのピートがウイスキーのボウモア独特のピート香を与えます。

厳選されたバーボン樽とシェリー樽で熟成

新しく作られたウイスキーはオークの樽に詰められ熟成されます。使われる樽は次の2種。

  • ホワイトオークのバーボン樽
  • スパニッシュオークのシェリー樽



バーボン樽7:シェリー樽3の割合で使用されているとのこと。樽に貯蔵され、モルト原酒は海辺の潮の香に抱かれながら呼吸し、ボウモア独特の酒精へと熟成されます。

サントリー社の品質管理技術


サントリー社の品質管理技術は国内外から高く評価されています。その中でも特にウイスキーの熟成に必要な樽の研究開発、調達技術が突出。


特に良質のシェリー樽の調達は難しいと言われています。新品の樽では、木の香りが強すぎてウイスキーの香りに悪影響を与えてしまうため、シェリーの熟成を終えた空の樽を入手する必要があるのです。


いかにボウモアの生産に適したシェリー樽を調達できるかが勝負。そこで、サントリー社のネットワークが生きています。

ボウモアのラインナップ


日本国内販売はボウモアを完全子会社化したサントリー社によって行われています。全国酒販店やインターネット通販などから購入が可能です。


希少な銘柄はインターネット通販で探すことを推奨します。また、バーで見かけたら試してみるのも良いでしょう。

ボウモアのスタンダードを知ることができる【ボウモア12年】


「ボウモア」ブランドの代表格となるフラッグシップモデル。フルーティな香りとドライなピート香りのバランスが良好。


口に含めば、蜂蜜のような甘みとビターチョコのような余韻が続きます。飲みやすいウイスキーです。初めてのボウモアならば、まずは12年から始めてみてはいかがでしょうか。

種類 シングルモルト
香り スモーキーさ・フルーティーさのバランスが絶妙
味わい ビターチョコ
アルコール度数 40%
価格 4,400円
おすすめな人 ウイスキー初心者、毎日の晩酌向け


リッチで芳醇な味わい【ボウモア15年】


バーボン樽で12年間熟成させた原酒を、オロロソ・シェリー樽で3年間熟成。熟成期間が長いため琥珀色から赤褐色へと色は変化していま
す。


アイラモルトのスモーキーな香りは角が取れ、マイルドで芳醇な味わいなのが特徴。リッチな甘みも感じます。流通量は少なく希少なボトルです。

種類 シングルモルト
香り マイルドなスモーキー
味わい まろやかでしなやかな甘み
アルコール度数 43%
価格 8,000円
おすすめな人 お祝いなど贅沢な1日を過ごしたい、贈答品としても喜ばれます


ボウモアの最高峰【ボウモア18年】


サントリー社が研究開発・調達した、最適なシェリー樽が使われているボトル。「ボウモア」の特徴である生まれる甘く芳醇か香りが至高です。


飲み始めから、余韻まで長く深い味わいと香りが口に残ります。流通量も少なく、高価な一本。とっておきの特別な日に飲みたいですね。

種類 シングルモルト
香り 完熟したフルーティーな香り
味わい まろやかで飲み口、バランスが取れている
アルコール度数 43%
価格 9,600円
おすすめな人 ウイスキー上級者、一杯を長くじっくり味わいたい


ハイボールに相性抜群!【ボウモアNo.1】


海抜0メートルに位置した1st.フィルバーボン樽(第一貯蔵庫)で熟成されたモルトのみが使われています。色は鮮やかな黄金色。香りはバニラ様と潮の香のバランスが良く、シトラスを思わせる柑橘系のさわやかな味わいをほのかに感じます。


ハイボールで飲むのがおすすめ。ボウモアNo.1の爽快感あふれる風味が引き立ちます。

種類 シングルモルト
香り 香りは控えめ
味わい シトラスのような爽やかな味わい
アルコール度数 40%
価格 3,500円
おすすめな人 毎日の晩酌用、ハイボール党にオススメ


ボウモアの選び方


ボウモアには複数のラインナップがあります。それぞれ、良さ・特徴があるのでどれを選ぶか迷いますよね。


そこで、ボウモアの選び方をご紹介します。自分にあったボウモアを購入し、晩酌をお楽しみください。

初めてのボウモアならレギュラーボトルである「12年」


「ボウモア」を初めて体験するなら現行のレギュラーボトルである「ボウモア12年 」をまず選びましょう。ボウモアのフラッグシップ商品として、最もスタンダードなブランド。


スモーキーさとフルーティーさを兼ね備えており飲みやすい味わいです。もちろんボウモア12年はレギュラーボトルにもオススメですが、ぜひ他のボウモアと飲み比べましょう。

完熟フルーツのような甘い飲み口が好みなら「18年」


まろやかで穏やかなスイートさを好む場合は「ボウモア18年」を選びましょう。


バーボン樽で12年間熟成させた後、オロロソ・シェリー樽で3年間熟成されているため完熟した甘さを堪能できます。晩酌で贅沢なひと時を過ごしたい場合にぴったりかもしれません。

さっぱりしたキレのある口当たりを望むなら「No.1」


「No.1」は、塩辛い味わいが印象的であるボウモアの新しいNAS( non-age-statement:熟成期間を記載しないブランド)。


柑橘系を思わせるしゃきっとしたキレのある飲み口を求める方におすすめです。ウイスキーはロックやストレートは苦手、ハイボールが好きという方にもオススメしたい商品です。

ボウモアの飲み方


ボウモアを購入できたのは良いが、いかに美味しく飲めるかも重要なポイント。ボウモアの良さをさらに引き立てる、おすすめの飲み方をご紹介します。


自分の好みにあった飲み方を見つけ、ボウモアの良さを最大級に引き立て楽しみましょう。

アイラ島ならではのピート香を味わうならストレート


「アイラ・モルトの女王」と称されるボウモアには、アイラ島ならではの環境が生むスモーキーなピート香が含まれます。このボウモアが持つアイデンティティを味わうには、やはりストレートがおすすめです。


ストレートで飲むことにより、香りや味わいをダイレクトに感じることができます。余韻も長く残るのが特徴。そのため、じっくりとした晩酌を楽しみたいときはストレートを強く推奨します。

アルコールの刺激が強すぎると感じるならトワイスアップ


ストレートだとアルコールがキツいという場合は、常温の水を加えるトワイスアップがおすすめ。氷を入れないので香りや味わいが損なわれることもないです。また。加水することにより、ストレートで感じることができなかった香りが解放されます。


トワイスアップはツンとしたウイスキーの角が取れ、より繊細な香りを感じることができます。ワイングラスなど芳香が立ちやすいグラスにいれることで、香りを楽しむことができるでしょう。

フルーティーな爽快感を思い切り味わうならハイボール


ボウモアはバーボン樽やシェリー樽由来のフルーティーな香りがあるので、ハイボールで爽やかに飲むことにも適したウイスキーです。ボウモアの中でも特に「No.1」がハイボールにぴったり


ハイボールは、料理とのマリアージュを楽しむのに最適です。お食事とともに楽しみたい晩酌の際に。肉料理や魚料理ともに料理の美味しさをさらに引き立ててくれます。

ボウモアと同じスモーキーなアイラモルトの銘柄5選


ここまでボウモアについてご紹介してきました。アイラモルトにはボウモアに負けない魅力的なウイスキーが他にもたくさんあります。


様々なウイスキーを飲み、自分の好みや飲むシーンにあった最適なウイスキーに出会いましょう。たくさんのウイスキーの知識を身につけることで、ワンランク上の大人の男性に近づけます。

アイラモルトの特徴


アイラモルトの特徴として、やはりヨード・ピート・スモーキーなどと言われる個性的な香りを外すことはできません。この特徴はアイラ島の4分の1を覆うピートを製麦段階で使っているのが原因。発芽した麦芽をピートを焚いて乾燥させるのがアイラ流。


それに伴い、アイラモルト独特の香りが生まれています。この香りが活きているブランドを以下にご紹介していきます。やはり、アイラモルトと言えばスモーキーな香りは欠かせません。

1位:アイラモルトの強烈な個性を閉じ込めたアイラの巨人【ラガヴーリン16年】


極めてスモーキーかつピート香が強く、薬草を思わせるようなウイスキーです。好き嫌いがはっきり分かれるが、アイラモルトの特徴を凝縮したような一本。


正露丸や薬品箱のような香りと比喩されるケースもあるぐらいです。しかし、その強烈な香りの奥にドライフルーツを思わせるような余韻があり、非常に複雑な味わいを楽しむことができるアイラモルトです。

種類 シングルモルト
香り 強いスモーキー
味わい パンチはあるが上品な味わい
アルコール度数 43%
価格 6,473円
おすすめな人 ウイスキー上級者、とにかく無骨なウイスキーが好きな方


2位:アイラモルトの王者【ラフロイグセレクトカスク】


「ラフロイグ」は、“アイラモルトの王者”とも呼ばれており、日本だけでなく世界的にも熱烈なファンが多いウイスキーのひとつです。イギリスチャールズ皇太子も愛飲しているウイスキーとして知られています。


特に重厚なスモーキーな香りが特徴。その特徴をストレートに味わえるオンザロックスや、スモーキー香を爽やかに楽しみハイボールで楽しむのがオススメです。アイラモルトの王者「ラフロイグ」の個性をお楽しみください。

種類 シングルモルト
香り 重厚なスモーキーな香り
味わい ナッツを思わせる香ばしい味わい
アルコール度数 40%
価格 3,792円
おすすめな人 スモーキーなウイスキーが好き


3位:スモーキーさとフルーティーさがあるまろやかな飲み口【カリラ25年】


1回の出荷で15,000本程度と出荷量が少なく、非常に希少なアイラモルトのひとつです。アイラモルトらしくスモーキーな香りはもちろんありますが、長期貯蔵ならではのフルーティーな芳醇な香りと滑らかな口当たりが特徴。


エレガントさを強く感じられるボトル。出荷量は少ないですが、長期貯蔵シングルモルトウイスキーの中ではお手頃な価格帯です。国内でもほとんど流通していないので、在庫がある場合は購入を推奨します。

種類 シングルモルト
香り フルーティー、スモーキー
味わい まろやかで芳醇
アルコール度数 43%
価格 18,800円
おすすめな人 リッチな晩酌を楽しみたいので、贅沢なウイスキーを入手したい


4位:一度飲むとやみつきに【アードベッグ10年】


アイラモルトを代表する強烈なスモーキーとスパイシーな香りが特徴。アイラモルトの中でも、ピート使用量を多く使用しています。そのため、香りの強さを示すフェノール値は世界でも有数の高水準。


強烈な香りの中に繊細な甘みや複雑な味わい。ラベルは、味わいと同様に無骨なかっこいいデザイン。自宅においていると、一目置かれるでしょう。


5位:生粋のアイラ育ち【ブルイックラディ・アイラ・バーレイ】


原料全てがアイラ産という、他の蒸留所にないこだわりをもったブランドです。アイラ産の大麦を100%使ったアイラモルトを作っている蒸留所は数少ない存在です。


スモーキーな香りの中にも、フルーティーでエレガントな味わいが特徴。

種類 シングルモルト
香り 強いスモーキー
味わい 複雑な味わい。余韻にリンゴのような甘み
アルコール度数 46%
価格 4,719円
おすすめな人 ウイスキー上級者、とにかく無骨なウイスキーが好きな方


アイラモルト初心者はボウモア12年から飲み始めよう


いかがでしたか。これまで記載したように、数あるアイラモルトの中でもボウモアは「アイラ・モルトの女王」と称されるだけあって、非常に人気のあるブランドです。


「ボウモアをぜひ飲んでみたい」方は、まずは「ボウモア12年」からチャレンジしましょう。ボウモア蒸留所の技術やこだわりが詰まった1本です。また味わいや香りもバランスが取れており、ウイスキー初心者から上級者まで幅広い方に楽しんでもらえるはず。


価格も5,000円以内ですので晩酌用に適した価格帯と言えるでしょう。ボウモア12年を知った後には、同じ蒸留所の18年などと飲み比べてみても面白いかもしれません。

ボウモア12年を知り、ウイスキーの知識を深めることができれば、ワンランク上の男性へと近づくでしょう。


種類 シングルモルト
香り フルーティ、マイルドなスモーキーさ
味わい 柔らかくクリーミーな口当たり
アルコール度数 50%
価格 7,005円
おすすめな人 マイルドなスモーキーさを楽しみたい、ウイスキー初心者向き