「シングル」の量ってどのくらい?ウイスキーの量を表す用語をまとめて解説

「最近バーに通い始めたけれど、シングルという用語がわからない」
「わからないけれど、知ったかぶりをしてなんとかしのいでいる」



という人は多いのはず。
私も、おそらくこういうことだろうと知ったかぶりをして、深く追求しませんでした。あのとき詳しく調べておけば、恥をかかなくて済んだのに。


今回は、ウイスキーの量をあらわすシングルという用語について詳しく解説します。


この記事を読めば、バーで堂々とウイスキーの注文ができるようになりますよ。

目次

ウイスキーの量の表す用語一覧


ウイスキーの量を表す用語には独特なものがあります


バーなどでウイスキーを注文するときには、専門的な用語が必要となる場合があるので、あらかじめ知っておくと便利ですよ。


代表的なものにはシングル、ダブル、ショット、オンス、ジガーなどがあります。


以下ではウイスキーの量を表す用語について詳しく解説していきます。

シングル(ワンフィンガー)


バーなどでウイスキーをたのむときによく使うのがシングルという用語です。


シングルという単位は1オンスのことであり、約30ml。ロックグラスに注ぐと底から指1本分くらいの高さになることから、ワンフィンガーと呼ぶこともあります。


カクテルによく使用するメジャーカップの小さい方がシングルの分量です。

ダブル(ツーフィンガー)


ダブルというのは、シングルの2つ分ということ。


シングルが約30mlだとしたら、ダブルは倍の約60mlということになりますね。


シングルを1オンスと呼ぶので、ダブルはその2倍の2オンスということです。


ロックグラスに注ぐと底から指2本分の高さまでくるため、ツーフィンガーと呼ぶこともあります。


シングルの量はお店によってさまざまま、たとえば、35mlをシングルと呼ぶお店の場合は、ダブルはその倍の70mlになるので、飲み過ぎないように注意してください。

ジガー


アメリカにはジガー(jigger)というウイスキーの分量を示す単位があります。


一般にアメリカではオンス(約30ml:スプーン大さじ2杯分の量)をよく使用します。しかしワンジガー45mlのことをワンショットと同義語に受け取る店もあるので注意が必要です。


カクテルに使用するメジャーカップの大きい方がワンジガー45mlです。

ショット


アメリカでは一杯のことをワンショットと呼びます。
「強い酒を一杯やらないか」「強いのを一杯」が転じて、一杯分をショットと呼ぶようになりました。


ワンショットの分量は厳密に定義されているわけではなくて、ウイスキーを提供する店によってまちまちです。


一般的にはシングルの分量約30mlと同じですが、中にはワンジガー45mlをワンショットと解釈するケースもあります。

ハーフショット


ハーフショットとは、シングルの半分という意味。


シングルの基準が30mlなので、ハーフショットは15mlということになります(ワンショット45mlのお店は22.5ml)。


ただし、お店の多くは経営維持にかかる経費などを勘案してウイスキーのシングルやワンショットの価格を設定しています。


ハーフショットでは想定する売上や利益を崩してしまう恐れがあるので、お店側としては歓迎できないことも。


それでもハーフショットで提供しているのは、お客様に美味しいウイスキーの味を知ってもらいたいという想いがあるからです。


ハーフショットを注文する際には、店側の事情なども考えながら、「ハーフで5杯ほど味わってみたいのですが、いいですか?」と、ある程度注文することをあらかじめ伝えるなどの配慮があると、店側も快く応じやすくなります。

海外では同じ用語でも量の単位が違う


ウイスキーの分量を示す用語は、国によってさまざまです。


たとえば、日本ではシングルが基準になっていますが、アメリカやイングランドではショットが基準になっていることがあります。


また、同じシングルという呼び方でも国によって分量が異なることもあるので、お国事情を知っておくことが大切です。

アメリカの場合


アメリカでもシングルは日本と同じ30mlです。


シングルのことを1オンス(スプーン大さじ2杯分・約30ml)と呼ぶこともあります。


ほかにジガーやショットという用語もあり、ワンジガー(45ml)とワンショット(45ml)を同義に解釈する店も多く存在するようです。


初めて訪れるバーでは、そのバーの単位が30mlなのか45mlなのかを見極める必要があります。

イングランドの場合


イングランドではシングルのことをショット(45ml)と呼ぶのが一般的です。


イギリスの中でもイングランドとスコットランドとではショットの分量に違いがありますイングランドではワンショット45mlが標準です

スコットランドの場合


同じイギリスの中でもスコットランドとイングランドとではウイスキーの分量に違いがあります。


スコットランドでもシングルのことをショットと呼びますが、ワンシングル(ワンショット)60mlというのが一般的です。


「イングランドのようにちまちま注文してられるか」というお国柄が反映しているとのこと。

アイルランドの場合


イギリスのお隣の国アイルランドでは、シングル75mlというのが一般的です。


スコットランドよりもさらに太っ腹ということになりますね。


国によって、または同じ国内でもウイスキーの分量を示す呼び方が変化するので、あらかじめその土地の事情などを下調べしてからお店に入るようにしましょう

ウイスキーの量と価格の関係


ウイスキーは同じシングルの分量でも、価格に大きな開きが生じます
高級銘柄から低価格帯まで幅広い価格があるからです。

基準となるのはシングルの料金


ウイスキーの価格の基準になる分量としてはシングルが一般的です。


多くのお店では、経営維持にかかる経費などを勘案しながら、シングルの価格を設定しています。


シングルを基準にして、ダブルやシングルの半分のハーフといったメニューを用意しているお店がほとんど。


ダブルはシングルの倍の値段で、ハーフはシングルの半分の値段というのが一般的です。

銘柄によって価格には大きな差が


ウイスキーは銘柄によって価格が大きく違います。


希少性の高いものや熟成年数の長いものになるとボトル1本数万円という銘柄も


希少性が高い銘柄や熟成年数の長い銘柄の場合は、たくさん飲んだからといって割引されることは基本的にありません。


お店は、ウイスキーの仕入単価や店の維持経費などを考えてシングルの価格を設定しています。

高価な銘柄はハーフショットがOKなことも


高価な銘柄のウイスキーは、ハーフショットがOKなこともあります。


高い銘柄になるとシングルでも1杯あたりの価格が1万円近くになることも。


お客様に高価なウイスキーも味わってもらいたいという店側の想いから、ハーフショットを提供しているわけですね。


幸運にも高級ウイスキーをハーフで提供してくれるバーを見つけられたら、せっかくなので普段は飲めない高価な銘柄をハーフショット味わってみましょう

バーで量を指定するときの3つのポイント


バーなどでウイスキーの量を指定する際には、専門的な用語を使用するとスムーズです。


専門用語を使用することで、「あ、この人は飲み慣れているな」と思われます。


スマートにウイスキーを飲みこなすためにも、しっかり用語を理解しておきましょう。

量を指定する時の頼み方


バーなどでウイスキーを注文する際には、【銘柄】と【量】、【飲み方】を指定するようにしてください。


たとえば、シングルモルトウイスキーの白州を注文する場合は、「白州をシングルのハイボールでお願いします」といった感じで注文します。


水割りを注文するのでしたら「白州をシングルの水割りでお願いします」となりますね。

慣れない銘柄はシングルから頼むのが基本


はじめて飲む銘柄や慣れない銘柄を注文する場合には、シングルから頼むようにしましょう。


ダブル(2杯分)やトリプル(3杯分)でも注文できます。しかし、好みに合わなかったときには無駄になってしまうので、少しずつ頼むのがおすすめです。


「ダブルで頼んだのは良いけど、飲みきれなかった」なんてことはマナー違反と思われることもあるので注意しましょう。

ウイスキーの適量は1日にダブル1杯まで


ウイスキーはアルコール度数が高いので、注文する際には注意が必要です。


一般的なウイスキーのアルコール度数は40度ぐらい、高い銘柄だと60度にもなります。


ウイスキーはアルコール度数が高いということを忘れないようにしてください。分量が少ないからと油断してはいけません。


厚生労働省が推進する「健康日本21」では、1日あたりの純アルコール摂取量は20gくらいまでとされています。


アルコール度数43%のウイスキーでしたら、約60mlくらいです。


つまり、シングルだったら2杯まで、ダブルだったら1杯までとなります。


ただし、「健康日本21」が推奨する基準は、一般的な体質の人を対象にしているので、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人や、そもそもアルコールを受け付けない体質に人は、さらに量が少なくなります。


ストレートやロックで飲むときは喉に負担を与えるので、チェイサーを用意しておくことなども大切です。


自分の体質や体調と相談しながら、ウイスキーを楽しんでください。

自宅でウイスキーのシングルを飲む2つの方法


ちょっとした工夫で自宅でもバーと同じようにシングルを計量してウイスキーを楽しむことができますよ。


自宅でウイスキーをきっちり計測してバーと同じように楽しみたいという方のために、2つの飲み方をご紹介します。

人差し指の幅で測る


軽量するアイテムがない場合には、ロックグラスやタンブラーの側面に指を押し当てて計測する方法があります。


シングルの分量を飲みたい場合には、指一本分(ワンフィンガー)で計測、ダブルなら指二本分(ツーフィンガー)で計測してみましょう。


プロのバーテンダーになると、指で測ることもなく目分量できっちりとシングルを測れるよなるとのこと。


手だけというレベルに達するのは厳しくとも、指でシングルを測る方法ぐらいはチェックしておいて損はありません。

メジャーカップで測る


もっと厳密にシングルやダブルの分量を計測したい場合は、メジャーカップを用意しましょう。


メジャーカップの小さい方は、ちょうどシングル30ml分です。


価格は1,000円以内とリーズナブルなため、毎日晩酌を楽しむという人は一つあるととても便利ですよ。


以下にネット通販で買えるおすすめメジャーカップを紹介しています。

おすすめメジャーカップ①:オーソドックスなスタンダードタイプ【ナガオ 18-8ステンレス メジャーカップ】

ナガオ 18-8ステンレス メジャーカップ
いたってオーソドックスなスタンダードタイプのメジャーカップです。


新潟県燕市のカラトリーメーカー「ナガオ」の製品。


錆に強くて堅牢な18-8ステンレスを使用、表面は鏡面仕上げです。

商品名 ナガオ 18-8ステンレス メジャーカップ 45&30cc 燕市製
メーカー名 ナガオ
価格 1,210円


おすすめメジャーカップ②:日本バーテンダー協会会員「柳原ちか雄」氏監修【Mr.スリム メジャーカップ シックス MR-653】

Mr.スリム メジャーカップ シックス MR-653
日本バーテンダー協会会員の柳原ちか雄氏が監修したとてもスタイリッシュなメジャーカップ


カップ内側に、2カ所のラインがあり、何種類(10㏄/15㏄/20㏄/30㏄/45㏄)もの容量が量れるスグレモノです。


シングルやダブル以外に細かい計測もしたいという方におすすめ。

商品名 Mr.スリム メジャーカップ シックス MR-653
メーカー名 佐野製作所・新潟県燕三条市
価格 2,053円


おすすめメジャーカップ③:機能と美しさを兼ね備えた【BIRDY. by Erik Lorincz MC30/60 メジャーカップ】

BIRDY. by Erik Lorincz MC30/60 メジャーカップ
テレビ東京の「ガイアの夜明け」で紹介された世界が認める逸品。


世界No.1バーテンダー、英国サヴォイホテル「アメリカン・バー」で10代目ヘッドバーテンダーを務めるエリック・ロリンツ氏とのコラボレーションで誕生したメジャーカップです。


カップ内側に計量線があるので細かい計測ができます。

商品名 BIRDY. by Erik Lorincz MC30/60 メジャーカップ
メーカー名 BIRDY
価格 8,140円


【参考】焼酎・日本酒の量を表す用語一覧


焼酎や日本酒の場合は、ウイスキーとは異なる計量の単位があります。


たとえば、1勺 (しゃく:18ml)、1合(180ml)など。


1勺 (しゃく)はあまり使われなくなりましたが、1合、2合は今も使われています。

【日本酒や焼酎の量の単位】

1勺 (しゃく):18ml(約大さじ1と小さじ1/2)
1合(ごう):180ml(料理の1カップと同じぐらいの容量)
1升(しょう):1800ml(1.8リットル 一升瓶)



ちなみに、厚生労働省が推進する「健康日本21」では、1日平均純アルコール量を約20g以下に抑えるように推奨しています。


純アルコール量約20gを日本酒に換算すると約1合、アルコール度数25度の焼酎に換算すると0.6合(100ml)となります。


お酒を長く楽しむためにも飲み過ぎには注意しましょう。

正しい用語の使い方を知ってスマートにウイスキーを楽しもう


ウイスキーには、シングル(約30ml)やダブル(約60ml)といった専門的な分量の名称があります。


世界的に共通しているのかというと、そうではありません。国や地域によって異なるため、海外でウイスキーを飲む際には、あらかじめ調べておくようにしましょう。


たとえば、イングランドではシングルのことをショット(45ml)と呼ぶのが一般的ですが、同じショットでもスコットランドでは60mlになり、アイルランドでは75mlに変化します。


この記事を読んでウイスキーの分量を示す正しい名称が理解できたかと思います。今夜はバーで堂々とウイスキーの注文してみましょう。