ウイスキーの風味を決定づける8要素|自分好みの銘柄を見極める方法を徹底解説
「ウイスキーの味の解説って何だかわかりにくい…」
「ウイスキーの味を手軽に判断する方法は無いの?おすすめ銘柄があれば知りたい!」
ウイスキーに興味を持って調べてみると、よく分からない味や香りの表現に出くわします。また、お馴染みの食材で説明してくれているけど、正直飲んでみてもピンとこない…なんてことも珍しくはありません。
本記事では、ウイスキーの風味をシンプルに2つの軸で考える方法をご紹介します。また蒸留所や銘柄ごとに特有の香りや味をもたらす、重要な8要素についても見ていきます。
後半では、ウイスキーの風味の特徴が分かりやすいおすすめの銘柄を12本取り上げると共に、おすすめの飲み方やグラス選びについてもご紹介しています。
本記事を読み終わった後には、ウイスキーの風味の捉え方を理解し、自分好みの銘柄を見つけることができるはず。早速見ていきましょう。
ウイスキーの風味は2つの軸で考える
ウイスキーの風味を2つの軸で分けて整理を行い、味や香りを見分けるのに役立つ「フレーバーマップ」というものがあります。
ウイスキーの銘柄紹介を見てみると「ピーティ」「エステリー」「ヨード臭」など難しそうな専門用語が並んでいたり、食品やフルーツの名前が書いてあるけど「正直よく分からない…」なんてことが多くありますよね。
フレーバーマップを参考にすることで、初心者でもウイスキーの香りと味の傾向をシンプルに捉えることができます。以下にフレーバーマップの2つの軸をご紹介するので、参考にしてみてください。
【香り】スモーキーかデリケートか
フレーバーマップの縦軸は香りの強さを表します。「スモーキー=香りが強い」と「デリケート=繊細な香り」とのどちらの傾向が強いかを指し示すものですね。
「スモーキー」はウイスキーの紹介でよく使われる表現で、特にスコッチウイスキー(スコットランド産のウイスキー)に多い燻製や煙を思わせる香りや、銘柄によっては磯や潮、薬品のような癖のある香りを指すものです。
フレーバーマップではスモーキー寄りな銘柄ほど香りが強いことを意味します。実際に、スコッチでも癖の強い銘柄が多くマッピングされていますね。
反対に「デリケート」は香りが繊細で、花や果物のフルーティーな香りを感じられるものを指します。初心者はデリケート寄りの銘柄から始めてみるのがおすすめ。香りが優しいので飲みやすい銘柄が多くなっています。
【味わい】リッチかライトか
フレーバーマップの横軸は飲み口の特徴を表します。「リッチ=重厚な味わい」と「ライト=軽快な飲み口」とのどちらの度合いが強いかを指し示すものですね。
「リッチ」寄りな銘柄は、コクや奥行きがある重厚な味わいを持ちます。樽熟成から来る芳ばしさやバニラのような甘さなど、濃厚な味わいを持つ銘柄が多くマッピングされています。
対して「ライト」寄りの銘柄は軽い飲み口で飲みやすいのが特徴です。酒質が軽くさっぱりしており、口当たりが清々しいのが特徴。ウイスキーに苦手意識がある方は「ライト」な銘柄から試してみると良いでしょう。
フレーバーマップは香りと味の強さを表すもので風味の特徴までは読み取れませんが、自分好みの銘柄を手軽に見分ける方法としておすすめです。
ウイスキーの風味に影響を与える8つの要素
「スモーキー↔デリケート」「リッチ↔ライト」など、ウイスキーの風味を決める8つの重要な要素を本項ではご紹介します。
自分が美味しいと感じるウイスキーがどのような要素を持っているかを知ることで、体系的にウイスキーを理解できるようになります。その結果、好みの銘柄も見つけやすくなるでしょう。
生産地の風土
ウイスキーの風味には生産地の風土の特徴が反映されます。国ごとの特徴はもちろん、地域ごとに分かりやすい特徴を持っている場合もあります。
以下でウイスキーの5大生産地の特徴を簡単にご紹介します。
- スコッチウイスキー:スコットランド産のウイスキー。麦芽の乾燥にピート(泥炭)を焚くことで特有のスモーキーなフレーバーを持つ。
- アイリッシュウイスキー:アイルランド産のウイスキーで最も歴史が長い。スコッチと比べてライトですっきりした味わい。穀物の豊かな香り。
- ジャパニーズウイスキー:日本産のウイスキー。スコッチを手本に始まったが独自の進化を遂げ世界的に評価が高い。繊細で上品、複雑な味わい。
- アメリカンウイスキー:バーボンに代表されるアメリカ産ウイスキー。原料にトウモロコシ、大麦、小麦、ライ麦などを使い、樽熟成をすることで独特の甘みがある。
- カナディアンウイスキー:カナダ産のウイスキー。ライトで癖の少ない味わいで、カクテルベースとしても人気が高い。
全ての銘柄が上記の特徴に当てはまるわけではありませんが、国ごとの特徴を把握することで自分の求める味わいに近づきやすくなります。
原料
ウイスキーの原料にはさまざまな穀物が使用されます。使われる穀物の種類が風味に与える影響はかなりのもの。原料による代表的な分類は以下の2つです。
- モルトウイスキー:大麦麦芽(モルト)を原料にし、「単式蒸留器(ポットスチル)」で蒸留するウイスキー。少量生産向きで、大麦や蒸留法の特徴が反映された個性豊かなウイスキーができる。
- グレーンウイスキー:トウモロコシ、ライ麦、小麦などのさまざまな穀物を主原料にし、「連続式蒸留器」で蒸留を行う大量生産向きの製法で造らえたウイスキー。飲みやすいが香りは抑えめで、ブレンドされることを前提に造られることが多い。
生産国によって用語の定義づけや生産規定が異なりますが、モルトウイスキーとグレーンウイスキーの原酒をブレンドすることでまろやかな味わいとなった「ブレンデッドウイスキー」が世界のウイスキー流通量の多くを占めています。
また、原料の個性が存分に反映されたウイスキーの種類も存在します。以下のようなものが代表的です。
- スコッチの中でも、単一の蒸留所のモルトウイスキーだけで造られ、蒸留所のこだわりや大麦の特徴が反映されやすい「シングルモルトウイスキー」
- 原料の51%以上にトウモロコシを使用し、内側を焦した新樽で熟成する、甘みが特徴の「バーボンウイスキー」
美味しいと感じる銘柄の主な原料を知ると、自分好みのウイスキーの傾向が掴みやすくなります。
ピート
モルトウイスキーの原料である大麦麦芽を乾燥させる時にピートを焚くかどうかは、ウイスキーのスモーキーな風味に影響を与えます。
ピートは泥炭(でいたん)と呼ばれる野草や水生植物が炭化した「泥状の炭」で、スコッチウイスキーではモルトの乾燥にピートを焚くのが特徴です。
ピートの香りが大麦に移ることで、スコッチウイスキーの一部の銘柄は特有の煙・燻製のような香りや薬品臭を帯びることになります。ピートの効いたスモーキーさは好きな人にはたまらない魅力ですが、癖のあるきつい香りであるため苦手な人も多いものです。
ピート香が苦手なら、モルトウイスキーでも「ノンピート」タイプのものや、バーボンなどそもそも主原料が大麦ではなくピートを焚かないタイプのウイスキーを選ぶことをおすすめします。
熟成樽の種類
ウイスキー造りに欠かせない工程が木樽での熟成です。熟成樽にどのような種類が使われたかによってウイスキーの香りに影響を与えます。木樽から溶出された成分によって、ウイスキーの色や香りが付着するからです。
例えばシェリー樽で熟成したスコッチウイスキーはフルーティーな香りを持ちます。一方、焦がした新樽で熟成するバーボンは、力強いパンチのある味わいやバニラのような甘さを持つ風味になります。
このようにどのような樽で熟成されるかは、ウイスキーの最終的な風味に大きな影響を与えます。最終的には複数の樽の原酒をブレンドすることが多いですが、自分好みの銘柄で使われる主要な樽の種類を知っておくとウイスキー選びに役立ちます。
熟成期間
樽内でどれだけの期間熟成されたかによってウイスキーの味わいは変化します。例えば「ザ・マッカラン12年」という銘柄は、ザ・マッカラン蒸留所で「12年以上熟成された原酒だけで造られた」ボトルになります。
熟成期間が短いとウイスキーはキレのあるカドの立った味わいになり、熟成期間が長くなるほどウイスキーはまろやかな味わいになる傾向があります。同じ蒸留所の銘柄でも、熟成年数によって違った味わいを楽しめます。
蒸留方法
樽で熟成を行う原液となる無色透明の「蒸留液」を得る工程が「蒸留」です。蒸留工程で使用される「蒸留器」の形や蒸留方法も、ウイスキーの味わいに影響を与えます。
モルトウイスキーの蒸留器は「ポットスチル」と呼ばれ、形状によって以下のような特徴があります。
- ポットスチルの高さあるとライトでキレがある味わいに
- ポットスチルの高さが低いと重厚でリッチな味わいに
またポットスチルの形状に加え、「何回蒸留するか」も重要です。通常は2回ですが、蒸留を3回行うことでよりスムースでライトな味わいを得ているボトルもあります。
普段は見えにくい部分ですが、蒸留所の蒸留方法に着目してみるのも面白いです。
発酵
蒸留工程の前には、麦芽から抽出した「麦汁」を酵母によって発酵させる工程があり、蒸留器にかけるための「Wash(ウォッシュ)」と呼ばれる液体を造ります。発酵に使われる酵母の種類が、味・香りに影響を与えます。
華やかな香りの元になるエステル類、オイリーななめらかさを与える脂肪酸類やフーゼル類など、酵母の違いによって1000種類にも及ぶ多様な成分が生み出されます。
消費者には見えにくい部分ではあります。しかし酵母にもこだわって多様な原酒を造っていると考えると、よりウイスキーが愛おしく大切に飲みたくなりますね。
職人の技量
市場に出回っているウイスキーのほとんどは、何かしらの調合や加水の後に瓶詰めされています。ウイスキーの最終的な味わいを決定づける職人「ブレンダー」の技術も重要です。
樽の中で熟成したウイスキーは、樽ごとに味も香りもバラバラで単体で出荷できるような状態ではないことがほとんどです(単一の樽の原酒だけを瓶詰めしたシングルカスクというボトルもある)
複数の樽の原酒を、各メーカーのブレンダーが調合し香りや味わいを整えたり加水を行ったりすることで、製品として出荷できる状態に仕上げます。銘柄の味わいを最終的に決めるのがブレンダーの職人技なのです。
ウイスキーの風味を感じやすい特徴的な銘柄12選
ウイスキーの香りや味わいを深く理解してより楽しむには、たくさんの銘柄を飲み比べてみるのがベストです。ボトルで買ってみるのはもちろん、バーでショットから試してみるのも良いでしょう。
前述したフレーバーマップの両端に位置するような、風味の特徴がはっきりしているウイスキーを飲んでみると好みの傾向が分かりやすいです。さっそく見ていきましょう。
スモーキーな味わいのウイスキー3選
まずはスコッチウイスキー、中でも「アイラ島」のシングルモルトに代表される、燻製香や磯の香り、薬品臭など、特徴的なスモーキーさが際立つ銘柄を3つご紹介します。
かなり癖も強いジャンルですので初心者向けではありませんが、一度ハマると病みつきになる魅力があります。熱烈なファンも多く、ウイスキーの魅力を深く知るにはぴったりです。
全モルトの中でも最高峰のスモーキーさ【アードベッグ10年】
スコットランドはアイラ島の中でも、最もスモーキーなウイスキーを作る蒸留所として有名な「アードベッグ」のスタンダードボトル。
ウイスキーのピート香の強さを表す「フェノール値」という数値は約55~65ppmと全モルトの中でも高く、「煙を食べているよう」とも言われる強烈なスモーキーさが特徴。
同時に繊細で豊かな甘い余韻もあり、一度ハマると抜け出せない癖のある味わいで世界中に熱烈なファンを持つ銘柄です。毎年発売される限定ボトルは即完売するほどの人気があります。
強烈な個性で初心者向けではありませんが、スコッチウイスキーの奥深さを知りたいならぜひチャレンジしたい一本です。
産地 | スコットランド・アイラ島 |
種類 | スコッチ・シングルモルト |
香り | スモーキーなヨード香・燻製香 柑橘系フルーツ・シナモンスパイス チョコレートのような甘い香り 薬品臭 |
味わい | 強烈なスモーキーさ・ピート香 豊かで繊細な甘さ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 4,850円 |
おすすめな人 | アイラモルトなどスモーキーなウイスキーが好きな人 |
特有のヨード香が癖になるアイラモルトの王【ラフロイグセレクトカスク】
「アイラモルトの王」と呼ばれ、アイラ島のシングルモルトを代表する銘柄のひとつが「ラフロイグ」です。
「正露丸」や「ヨードチンキ」にも例えられ、「好きになるか、嫌いになるかどちらか」と言われる強烈な香りが特徴の銘柄ですが、「セレクトカスク」はラフロイグの中では甘みがあり比較的スモーキーさが抑えめなボトル。
2種類のシェリー樽とバーボン樽で熟成した3種類の原酒をブレンドした後、アメリカンオークの新樽で後熟するのが特徴で、シェリー樽由来のフルーティな甘みを持つ新感覚のラフロイグです。
もちろんラフロイグらしいスモーキーさもしっかりあります。ラフロイグで何か最初に飲んでみるならおすすめのボトルです。
産地 | スコットランド・アイラ島 |
種類 | スコッチ・シングルモルト |
香り | 薬品のようなスモーキーさ ココナッツやバナナのフルーツ香 |
味わい | 重厚なスモーキーさと柔らかな甘み |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 3,792円 |
おすすめな人 | アイラモルトなどスモーキーなウイスキーが好きな人 ラフロイグで最初の一本を探している人 |
最も美味しい銘柄のひとつと評されるアイラの巨人【ラガヴーリン16年】
「アイラの巨人」と呼ばれ、人気・評価が高いシングルモルトの銘柄が「ラガヴーリン」。熟成期間16年のものは蒸留所のスタンダードボトルです。
スモーキーで癖のあるアイラモルトながら、「最も美味しいウイスキーのひとつ」と言われるほどバランスの取れた完成度の高いボトルなのが特徴。ウイスキー好きなら一度は試してみたい銘酒です。
アイラ島らしい薬品を思わせるヨード香はしっかりあります。その一方、スタンダード品としては長い16年熟成のため、上品ななめらかな味わい、繊細な香り、フルーティさも同時に感じられるボトルとなっています。
スモーキーなウイスキーに魅力を感じるならぜひ一度飲んでみたいボトルです。
産地 | スコットランド・アイラ島 |
種類 | スコッチ・シングルモルト |
香り | 薬品や海藻のようなスモーキーさ・ヨード香 バニラや花のような甘い香り |
味わい | ドライでスモーキー やさしくも強い甘さ 海を彷彿とさせる塩気 |
アルコール度数 | 43% |
価格 | 7,242円 |
おすすめな人 | アイラモルトなどスモーキーなウイスキーが好きな人 シングルモルトを代表するボトルを飲んでみたい人 |
デリケートな味わいのウイスキー3選
次は花やフルーツを彷彿とさせる香りが特徴のデリケートな銘柄を3つご紹介します。ウイスキー初心者の方でもトライしやすいのが魅力です。
癖の強いスモーキーさが苦手という方は、フルーティーな風味が強い銘柄から試してみましょう。飲みやすさに驚くはずです。
フルーティな世界初のシングルモルト【グレンフィディック12年】
世界で初めてシングルモルトとして発売された銘柄である「グレンフィディック12年」。世界で最も飲まれているシングルモルトウイスキーとも言われています。
洋梨を思わせるフルーティな香り、上品で甘さのある味わいが特徴。個性の強いシングルモルトの中でも一際とっつきやすいボトルのひとつです。
価格も手頃なので、シングルモルト初心者の方の入門にもおすすめできる銘柄です。
産地 | スコットランド・スペイサイド地方 |
種類 | スコッチ・シングルモルト |
香り | 洋梨のようなフルーティな香り |
味わい | 甘くフルーティで繊細 なめらかな味わい |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 2,980円 |
おすすめな人 | スコッチ・シングルモルト入門のボトルを探している人 手頃で飲みやすいシングルモルトを探している人 |
スペイサイド地方の中でもとりわけ繊細なボトル【ノッカンドゥ12年】
スコットランドのスペイサイド地方の蒸留所でも特にデリケートで繊細な銘柄が「ノッカンドゥ」です。
繊細でフルーティな味わい、花のような香りに加え、かすかにスコッチらしいスモーキーさや、バーボン樽の使用比率が多いことからくる力強さも感じられる銘柄。
ライトな味わいでシングルモルト初心者でも比較的飲みやすくなっています。一部終売の情報もありますが、ネットではそこまで高騰しておらずまだ手に入りますので、ぜひ試してみてください。
産地 | スコットランド・スペイサイド地方 |
種類 | スコッチ・シングルモルト |
香り | フルーティ 花のようなフローラルな香り かすかなスモーキーさ |
味わい | ライトな口当たり 程よい甘さ ほのかな酸味を伴うドライさ |
アルコール度数 | 43% |
価格 | 3,823円 |
おすすめな人 | スコッチ・シングルモルト入門のボトルを探している人 飲みやすいシングルモルトを探している人 |
スコッチの老舗が日本向けに開発したボトル【シーバスリーガル ミズナラ12年】
スコッチ・ブレンデッドウイスキーの大定番銘柄のひとつ「シーバスリーガル」のマスターブレンダーのコリン・スコット氏が、日本人向けにブレンドした繊細さが特徴のボトル。
日本原産のオーク材であるミズナラの樽を使用しており、同社の中でも一際繊細でなめらか、飲みやすい味わいに仕上がっています。
ウイスキー初心者にもおすすめできる主張が強すぎない味わいで、水割りやハイボールにすれば食事にも合わせやすい銘柄です。
産地 | スコットランド |
種類 | スコッチ・ブレンデッドウイスキー |
香り | オレンジや洋梨などのフルーティさ 甘い香り・かすかにナッツのような芳ばしさ |
味わい | とても繊細で甘くなめらか 熟した洋梨や蜂蜜、オレンジ風味の砂糖菓子を彷彿とさせる 微かなリコリス(甘草)の風味 |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 3,555円 |
おすすめな人 | 繊細で飲みやすいウイスキーを飲みたい人 ウイスキー初心者でスコッチを飲んでみたい人 |
リッチな口当たりのウイスキー3選
本項では重厚な味わいが特徴のリッチな味わいのウイスキーを3銘柄ご紹介します。ウイスキー単体でじっくり味わったり、美味しい食後酒をお探しの方はぜひ見てみてください。
口の中に広がるリッチな濃厚さはウイスキーの醍醐味のひとつ。ウイスキーに興味があるなら、ぜひ以下の銘柄は試してみましょう。
高いアルコール度数で飲み応えあり【ワイルドターキー8年】
バーボンウイスキーの定番銘柄のひとつである「ワイルドターキー」。紹介する本品は8年熟成ボトル。アルコール度数50.5%と高めで飲み応えがあり、バーボン好きには人気が高い銘柄です。
原料のトウモロコシ比率を下げライ麦の比率を上げたレシピで、バーボンの中では甘さ控え目で豊かな麦の風味が魅力です。パンチのあるリッチなフルボディと、程よい甘みのバランスが心地良いボトルとなっています。
バーボンに飲み慣れているならぜひ一度試してみたい銘柄です。
産地 | アメリカ・ケンタッキー州 |
種類 | バーボンウイスキー |
香り | バニラ・ナッツ・オーク |
味わい | フルーティ 麦芽のような甘さ オイリー |
アルコール度数 | 50.5% |
価格 | 3,307円 |
おすすめな人 | バーボンが好きな人 飲み応えのあるフルボディのボトルを探している人 |
シングルモルトを代表する優雅で上品な逸品【ザ・マッカラン12年】
「シングルモルトのロールスロイス」と称される最高峰のシングルモルトウイスキーである「ザ・マッカラン」。本品はシェリー樽熟成が特徴の「シェリーカスク」シリーズの12年熟成ボトルです。
同社の中で最もスタンダードなボトルとされ、シェリー樽由来の穏やかで上品な甘さと香りに加え、余韻でスモークやスパイスも感じられる重厚で完成度の高い銘酒です。
多くの人が美味しいと感じるその濃厚な味わいは、ウイスキー好きなら一度は試しておくべきものです。
産地 | スコットランド・スペイサイド地方 |
種類 | スコッチ・シングルモルト |
香り | バニラ・ドライフルーツ ほのかなジンジャー シェリーの甘い香り |
味わい | 穏やかな甘さ ドライフルーツ 余韻でスモークやスパイスも感じられる |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 6,340円 |
おすすめな人 | リッチで程よい甘さのあるウイスキーが好きな人 シングルモルトの最高峰を味わってみたい人 |
日本を代表するリッチなシングルモルト【余市】
ニッカウイスキーが製造する日本を代表するシングルモルトの銘柄が「余市」です。国産シングルモルトの中でも重厚でスモーキーな力強い味わいが特徴。
創業者の竹鶴政孝氏はスコットランドに渡り現地の蒸留技術・知識を持ち帰り余市を完成させました。そのため、余市からはスコッチウイスキーを思わせるピート香や塩気、麦芽の風味を感じることができます。
飲み応えのあるフルボディの国産シングルモルトを楽しむなら余市がおすすめです。
産地 | 日本 |
種類 | ジャパニーズ・シングルモルト |
香り | ほのかな樽熟成香 麦芽の風味とフルーティさ ピート香 |
味わい | シェリー樽由来の甘み ピートの味わい 麦芽の風味とフルーティさ |
アルコール度数 | 45% |
価格 | 4,900円 |
おすすめな人 | ピートの効いた重厚なウイスキーを飲みたい人 甘みのあるフルボディのウイスキーを飲みたい人 |
ライトな口当たりのウイスキー3選
最後に、軽い飲み口が魅力のライトな口当たりの銘柄を3つご紹介します。さらっと飲みやすいボトルを探している方はぜひご覧ください。
ウイスキー特有の濃厚さに苦手意識を感じる方は、ライトな銘柄を試してみるのがおすすめです。癖がほとんどないので何の抵抗もなく飲み進められるはず。
食前酒にも最適なライトでドライな味わい【グレンキンチー12年】
スコットランドでも珍しいローランド地方の蒸留所「グレンキンチー」の12年熟成ボトルです。癖が少なく切れ味のあるドライな味わいで、食前酒としてもすっきり楽しめる一本。
スモーキーで癖の強いウイスキーが苦手な方や、ウイスキー初心者の方には特におすすめです。とてもライトですが複雑な香りも持っているので、単体でもしっかり楽しめる魅力があるボトルです。
産地 | スコットランド・ローランド地方 |
種類 | スコッチ・シングルモルト |
香り | さわやかで繊細な香り 甘さと辛さのバランスの良い複雑な香り 新鮮なブドウのようなドライな香り ナッツのような甘い香り |
味わい | ビスケットのような甘さ ドライな切れ味 ブドウのような果実味 |
アルコール度数 | 43% |
価格 | 4,283円 |
おすすめな人 | ライトな食前酒を探している人 癖のあるウイスキーが苦手な人 |
とてもライトで初心者にもおすすめ【カティサーク】
スコッチのブレンデッドウイスキーを代表するブランドのひとつが「カティサーク」です。スコッチながらピート香はほとんどありません。ライトでスムースな味わいで、非常に飲みやすいボトルです。
軽い酒質でウイスキー初心者の方に特におすすめ。また癖が少ない上に千円台の手頃な価格で手に入るので、ハイボールなど割って飲む用のボトルとして常備しておくのも良いでしょう。
産地 | イギリス |
種類 | スコッチ・ブレンデッドウイスキー |
香り | ハーブ・バニラ ほのかなミルクチョコレート |
味わい | ライトでスムース アルコールの刺激が少なく甘さを感じる |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 1,444円 |
おすすめな人 | ライトで飲みやすいボトルを探している人 ウイスキー初心者の人 手頃な割って飲む用のボトルが欲しい人 |
軽い飲み口の辛口バーボン【フォアローゼズ】
バーボンといえばバニラのような甘い風味が特徴ですが、花のような香りと軽く飲みやすい飲み口が特徴の定番銘柄が「フォアローゼズ」です。本品は「イエロー」とも呼ばれるスタンダードボトル。
甘さのある味わいながらさらりと飲める辛口なので、親しみやすいバーボンとしておすすめです。値段も手頃でコンビニなどでも手に入りやすいのも嬉しいポイントですね。ライトな飲み口のバーボンとして貴重な銘柄です。
産地 | アメリカ |
種類 | バーボンウイスキー |
香り | フルーティ・フローラル やわらかなスパイス・蜂蜜 |
味わい | すっきりとライトでなめらか 洋梨やアップルなどフルーティな甘み |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 1,494円 |
おすすめな人 | ライトで飲みやすいバーボンを探している人 手頃で手に入れやすいボトルを探している人 |
ウイスキーの風味を堪能する2つの飲み方
お気に入りのボトルを見つけたら、ウイスキーの風味を堪能するための飲み方にも気を配りましょう。飲み方によっては、飲みやすくなる一方で風味が損なわれることもあるので注意が必要です。
本項では、ウイスキーの繊細で奥深い香りと味わいを堪能できる飲み方を2つご紹介しています。ぜひ試してみてください。
ありのままのウイスキーの風味を堪能できる【ストレート】
ウイスキーの風味をしっかり堪能するにはやはりストレートが一番です。ストレートは氷や水を入れたりせず、ウイスキーだけで楽しむ飲み方。
ウイスキーが薄まらないので本来の香りと味をダイレクトに味わえます。「チェイサー」と呼ばれる飲み水を別で用意して交互に飲めば、口内をさっぱりリフレッシュしつつアルコールの負担を減らし、飽きずに楽しめます。
アルコールの強さやウイスキーの癖もごまかせない飲み方ですが、後述するグラス選びをしっかりすればストレートでもよりマイルドに味わえます。
初心者向けでありませんがウイスキー単体で楽しむには最適な飲み方ですので、ウイスキーに慣れてきたらぜひトライしてみてください。
加水することでウイスキーの香りを増幅させる【トワイスアップ】
ウイスキーと同量の常温の水を加えることで、飲みやすくすると同時に香りが引き立つ飲み方が「トワイスアップ」です。
ウイスキーと水の比率を1:1までに抑えることで、ウイスキー本来の味わいを薄めすぎず、なおかつ香りが引き立ちやすくなります。最初はストレートで始めて徐々に加水してトワイスアップに近づける方法も、変化を楽しめるのでおすすめです。
ストレートではきつすぎるがウイスキーの魅力もしっかり味わいたい方におすすめ。またストレートでは分からなかった魅力が出てくることもありますので、両方の飲み方で比べてみると楽しいです。
シンプルで試しやすいですし、ウイスキーを本格的に楽しむならぜひマスターしたい飲み方です。
氷で冷やす飲み方は風味を損なわせるので注意
ウイスキーの定番の飲み方には氷を入れる「オン・ザ・ロックス(ロック)」や氷+水で割る「水割り」があります。よく知られた飲み方ではあるものの、これらの飲み方には注意が必要。氷で冷やすことでウイスキーの香りが抑えられてしまうからです。
ですので、繊細な風味を持つ銘柄本来の魅力を堪能したいなら、氷は入れない方が良いでしょう。氷を入れて楽しめるのは、癖のある銘柄を飲みやすくしたりウイスキーを食事と合わせる時などです。
ウイスキーを楽しむシチュエーションに合わせて飲み方も使い分けましょう。
ウイスキーの風味を堪能できるグラス3選
どのようなグラスでウイスキーを飲むのかは、ウイスキーの香りや味わいに大きな影響を与えます。特に、先にご紹介したストレートやトワイスアップなどはごまかしが効かない分、グラスの影響も大きい飲み方です。
しっかりとウイスキーを堪能したいならグラスにもこだわりましょう。本項ではグラス選びのポイントとおすすめのグラスを簡単にご紹介します。
ウイスキーグラスの選び方
ウイスキーの香りや味わいを引き出すグラス選びのポイントは以下の2つです。
- 選ぶポイント①:口をつけるリム部分が薄くなっている→口当たりが良くなり、ウイスキーが細く流れ込むのでマイルドに味わえる
- 選ぶポイント②:ボウル部分にくびれがある→香りが逃げにくくなり、しっかりと感じられる
次から、2つのポイントを満たしたおすすめのグラスを3つご紹介します。
手頃ながら国産ハンドメイドの良質なグラス【木村硝子店 ウイスキーテイスティング 200】
薄くて丈夫なガラスを使用した、国産ハンドメイドの高品質な「木村硝子店」のウイスキー用テイスティンググラス。
口当たりのいい薄いリム、大きすぎずくびれのあるボウル、手の温度が伝わらない長いステム(脚)など、ウイスキーをストレートやトワイスアップで楽しむのにぴったりの特徴を持っています。
さらに、国産ハンドメイド商品ながら手頃な中価格帯なのが嬉しいポイント。グラスにそこまで予算はかけられないが、品質も妥協したくないならおすすめです。
商品名 | ウイスキーテイスティング 200 |
メーカー名 | 木村硝子店 |
価格 | 3,080円 |
ワイングラスの老舗が開発するウイスキーにも最適なグラス【リーデル ヴィノム コニャック】
「リーデル」はワイングラス専門メーカーの老舗。お酒の種類ごとに最適なグラスを設計する技術・ノウハウを持ち、ワインだけではなくさまざまなお酒用のグラスを開発しています。
本品はコニャック用ながら、薄くて反り返ったリム、小ぶりでくびれのあるボウルなどウイスキーにも適した特徴を持つグラス。基本2個セットなので、夫婦・恋人・友人とウイスキーを楽しんだり、割れた時の予備にもなるのが嬉しいです。
本品はマシンメイドながら高品質を誇る「ヴィノム」シリーズ。また最上位クラスの「ソムリエ」シリーズのコニャック用グラスは、さらに薄く美しいリムの極上の口当たりでウイスキーを楽しめます。
商品名 | リーデル ヴィノム コニャック |
メーカー名 | リーデル |
価格 | 5,271円(2個セット) |
ウイスキーの香りを開くグラス【ツヴィーゼル バースペシャル ウイスキーノージンググラス】
ドイツ発祥のガラス専門メーカー「ツヴィーゼル」のウイスキー用グラス。「トリタンクリスタル」という鉛を使わないガラスを使用し、美しい透明感と強度を持ちながら環境にも優しい素材となっています。
「ノージンググラス」の名の通り、比較的ふくよかなボウルとストレートな口元で香りを捉えやすいグラスです。香りが開きにくいオールドボトルや、飲み慣れたボトルの新しい香りを発見するのに向いています。
ヨーロッパを中心にプロフェッショナルに愛されるブランドながら、本品はお求めやすい価格なのが嬉しいところ。ウイスキーの香りを楽しみたいならぜひお試しください。
商品名 | バースペシャル ウイスキーノージンググラス |
メーカー名 | ツヴィーゼル |
価格 | 2,090円 |
色々飲み比べて自分好みの風味のウイスキーを見つけよう
今回はウイスキーの風味の傾向を手軽に判断する方法や、銘柄の特徴をもたらす重要な要素をご紹介し、さらにぜひ味わっていただきたい代表的銘柄やおすすめの飲み方・グラスまで取り上げました。
特有の香りやアルコールの強さがあるウイスキーは最初はとっつきにくいお酒ですが、色々なボトルを試してみると自分の好みの傾向が分かってきます。また飲み進めていくうちに、スモーキーで癖の強い銘柄の魅力にハマる人も多いです。
今回ご紹介したボトルはどれもおすすめですが、まずはバーで一杯からでも試してみて、気に入ったらボトルを手に入れて色々な飲み方で楽しんでみると良いでしょう。
本記事を参考に、ぜひ好みの風味を持つウイスキーを見つけてください。