カナディアンウイスキーのおすすめ10選|賢い選び方と美味しい飲み方を徹底解説

「カナディアンウイスキーでおすすめの銘柄は何があるの?」
「カナディアンウイスキーの背景やウンチクが知りたい!」

初めてウイスキーを飲んでみたけれど、アルコール臭が強くて苦手に感じる人も多いのではないでしょうか?初心者でも飲みやすい、美味しいウイスキーを探している人におすすめなのが、今回ご紹介するカナディアンウイスキーです。

当記事を読むことで、カナディアンウイスキーのおすすめや美味しい飲み方がわかります。カナディアンウイスキーを選ぶ際に、ぜひ参考にしてください。

目次

カナディアンウイスキーとは?

日本で有名なウイスキーといえば次のようなもの。

  • 日本産の「ジャパニーズウイスキー」
  • アメリカで生産される「バーボン」や「テネシー」などで知られる「アメリカンウイスキー」
  • 糖化、発酵、蒸留、熟成をスコットランドで行っている「スコッチウイスキー」

これらの他にもアイルランド、カナダで作られているウイスキーと合わせて「5大ウイスキー」と呼ばれています。

5大ウイスキーの中でも、カナダで作られる「カナディアンウイスキー」はあまり目立った存在ではありません。酒専門店にでもいかない限り、見かけることは少ないはずです。しかし、生産量で見るとスコッチに続いて世界第2位と、世界中で愛飲されているのがカナディアンウイスキーなのです。

カナディアンウイスキーは、カナダならではの地理や風土、歴史や文化が反映されたユニークなウイスキー。ウイスキー好きなら、ぜひカナディアンウイスキーをチェックしておきましょう。

カナディアンウイスキーの条件


ウイスキーの本場スコットランドでは、「スコッチウイスキー」を名乗れるのは、以下の条件を満たしたウイスキーだけです。

  • 糖化、発酵、蒸留、熟成をスコットランドの蒸留所で行っている
  • 700リットル以下のオーク樽で3年以上熟成されている
  • 水、無味カラメル着色料以外の添加物を一切使っていない
  • 最低でも40%のアルコール度数を有している

同様に、「カナディアンウイスキー」を名乗るには、カナダの法律で定められた以下の条件を満たす必要があります。

  • 穀物を原料にして、麦芽などで糖化し、酵母などで発酵し、蒸留を行う
  • 容量700L以下の木樽で3年以上熟成させる
  • アルコール度数40%以上の状態でボトリングする
  • カラメルまたはフレーバリングの添付は可能

カナダの法律による定義だけなら、スコットランドや他のウイスキー産地とそこまで極端な違いはありません。

アメリカの禁酒法時代に売上を伸ばした

カナディアンウイスキーが世界的に広まるきっかけとなったのはアメリカの「禁酒法」です。

元々カナダはビールをメインに生産していました。17世後半に入り、ビールの醸造所に併設される形でウイスキーの生産が始まったのです。カナダでウイスキー作りが活発になった1900年代、アメリカで「禁酒法」が施行されたことで、カナディアンウイスキーが一躍注目を浴びることになったのです。

アメリカはスコッチウイスキーを輸入したり、国内でウイスキーを生産していました。ところが禁酒法により、国内でお酒の製造や販売、輸入が禁止されました。するとアメリカの密造業者が、地続きで運び込みやすい隣国のカナダからカナディアンウイスキーを大量に密輸し始めます。

アル・カポネなどのマフィアが暗躍し、カナダは「アメリカのウイスキー庫」と呼ばれるようになりました。結果、カナディアンウイスキーはアメリカ全土で広く飲まれるようになったのです。

生産量の約7割がアメリカで消費される

アメリカで禁酒法が施行されてから、カナダのウイスキー産業は大きく発展することになります。ウイスキーは熟成期間が長いため、禁酒法が撤廃された後も国内でウイスキーを作るのが困難だったのも要因のひとつです。

アメリカ国内で高い人気を獲得したため、生産されるカナディアンウイスキーのほとんどはアメリカ向きのもので、今でもカナディアンウイスキーはアメリカへの輸出に依存してます。

アメリカでは確固たる地位を築いたカナディアンウイスキーですが、意外なことにカナダ人はあまりカナディアンウイスキーを飲みません。なぜなら、カナダ国内のお酒にかかる税金が高額なためです。

ウイスキーボトル一本で83%と高すぎる税金がかけられているため、カナダ国内ではカナディアンウイスキーは避けられる傾向にあるのです。

カナディアンウイスキーの2つの特徴

カナディアンウイスキーの味や香りの特徴には、大きく分けて以下の2つがあります。

  1. ブレンデッドウイスキーならではのライトな口当たり
  2. ライ麦が原料なことによるスパイシーさの強い香り

上記2つの特徴があるため、カナディアンウイスキーには万人受けするまろやかな風味があるのです。以下ではそれぞれについて簡単に説明していきます。

1.ブレンデッドウイスキーならではのライトな口当たり

カナディアンウイスキーの最大の特徴とも言えるライトでマイルドな風味は、2種類の原酒をブレンド・調整することで出すことができます。

カナディアンウイスキーでブレンドされるのは、以下の原料から作られる2つの原酒です。

原酒 原料
フレーバリングウィスキー ライ麦、トウモロコシ、ライ麦麦芽、モルト
ベースウイスキー トウモロコシ

フレーバリングウイスキーは濃厚で癖があるのに対して、ベースウイスキーはまろやかで癖がないのが特徴です。2つの原酒を「フレーバリング:ベース=3:7」の割合でブレンドすることで、ウイスキーに慣れていない初心者でも飲み進められるほど、さっぱりした味を出せるのです。

2.ライ麦が原料なことによるスパイシーさの強い香り

カナディアンウイスキーの原酒となるフレーバリングウイスキーにはライ麦が多く使われています。カナディアンウイスキー特有のスパイシーな香りを出すのに欠かせないのがライ麦なのです。

ただし、ライ麦の最低使用比率が法律で定められていないため、少量でもライ麦を使っていれば「カナディアンウイスキー」を名乗ることができてしまいます。ボトルにカナディアンウイスキーと記載されていても、実際はほとんどライ麦が使われていないということもあるので購入の際は注意が必要です。

カナディアンウイスキーを選ぶ3つのポイント

いざカナディアンウイスキーを飲もうと思っても複数の銘柄があります。慣れていないと、どれを選んでいいか分かりませんよね?

美味しいカナディアンウイスキーを選ぶためにも、次の3つのポイントを押さえて銘柄を選んでください。

  1. 日本に向けて輸出されているか
  2. 鼻に抜ける爽快感があるか
  3. 納得のできる価格帯の銘柄か

上記のポイントを満たしていれば、間違いなく美味しいカナディアンウイスキーを選ぶことができます。

1.日本に向けて輸出されているか

カナディアンウイスキーを初めて飲むなら、まずは日本国内でも流通している定番のカナディアンウイスキーから試すことをおすすめします。

カナダで生産されているカナディアンウイスキーは、ほとんどがアメリカ向けに輸出されているものばかり。日本国内向けに輸出されているカナディアンウイスキーはとても少ないのです。

試しにスーパーなどで探してみてください、カナディアンウイスキーを見つけるのは一苦労するでしょう。日本国内で出回っているカナディアンウイスキーは、世界的に名前の知れ渡っている代表的な銘柄だけなのです。これは裏を返せば一定のクオリティが保たれているということでもあります。

まずは日本で出回っている定番の銘柄からスタートしましょう。そして慣れてきたら個人輸入をするなりして、よりマニアックなアメリカ輸出向けのカナディアンウイスキーに手を出すのをおすすめします。

2.鼻に抜ける爽快感があるか

カナディアンウイスキーを選ぶ際は、スパイシーな香りを堪能できる銘柄を選びましょう。カナディアンウイスキーといえば、口に入れた時に鼻に抜けるライ麦特有のスパイシーな香りが最大の魅力。

製造工程で少量のライ麦しか使っていないカナディアンウイスキーでは、魅力が半減してしまいます。カナディアンウイスキーらしさを十分に堪能したいのなら、原料に使われているライ麦の比率が51%以上のものを選びましょう。

3.納得のできる価格帯の銘柄か

カナディアンウイスキーを購入するなら、手頃な価格帯で爽快さを堪能できる銘柄を選びましょう。カナディアンウイスキーの代表的な銘柄は、700mlで2,000円~3,000円で購入できます。安価なのでソーダ割りなどにして、スパイシーさを堪能しつつゴクゴク飲むのがおすすめ。

一部の熟成年数が高く、高価な価格帯のカナディアンウイスキーもあります。しかし同じ価格帯のバーボンやスコッチウイスキーと比べると、そこまで特筆するべきことはありません。むしろ魅力であるスパイシーさが軽くなっていることもあり、おすすめできない場合もあります。

高額なカナディアンウイスキーは、ウイスキー好きやマニア向け。初めてカナディアンウイスキーを飲むなら、手頃な価格の代表的なカナディアンウイスキーの銘柄で、口当たりとのどごしの良さを堪能しましょう。

カナディアンウイスキーのおすすめ10選

アメリカのバーボンやスコッチウイスキーと比べると、カナディアンウイスキーは知名度が高いとは言えません。しかし、ハイボールやソーダ割りにぴったりな銘柄だったり、まろやかな口当たりが楽しめるなど、日本人におすすめのものが多いのです。

ウイスキー好きならば、ぜひ以下にご紹介するカナディアンウイスキーをチェックしてください。

カナダウイスキーの代表格【カナディアンクラブ】

「カナディアンクラブ」はカナディアンウィスキーの代表的存在といっても過言ではありません。160年前に誕生して以来、「C.C.」の愛称で150カ国以上の人々に愛され続けているウイスキーです。

スッキリとした味わいとほのかな甘い香りは、後に続く多くのカナディアンウイスキーに多大な影響を与えました。ジンジャエールやクランベリーなど、色々なカクテルのベースとしても最適です。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ライトボディ
アルコール度数 40%
価格 1,189円

日本人向けに作られたウイスキー【カナディアンクラブ ブラック】

「カナディアンクラブ ブラック」は、日本人向けに作られているウイスキーです。日本ではソーダ割りや水割りを多く飲むことで知られています。料理も大味より繊細さが特徴と言えるでしょう。

「カナディアンクラブ ブラック」は日本人の食や飲み方に合わせて特別に作られています。オーク樽で8年以上も熟成しているため、口当たりが柔らかでありながらコクがありなめらかな味を楽しめます。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ライトボディ
アルコール度数 40%
価格 3,867円

コスパに優れた飲みやすいウイスキー【カナディアンクラブ クラシック 12年】

カナディアンクラブはさっぱりとした中にほのかな甘味が感じられるのが特徴。

中でも12年樽の中で熟成させた「カナディアンクラブ クラシック12年は、穀物類の香りとほのかな蜜の甘味、バニラや香ばしいナッツ、キャラメルの甘さやスパイシーさが楽しめます。飲み終わったあとの余韻を長く楽しみたい、ウイスキー好きにおすすめな一品です。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ミドルボディ
アルコール度数 40%
価格 2,574円

プレゼントや自分へのご褒美に【カナディアン クラブ 20年】

手頃な価格で美味しく飲めるカナディアンウイスキーの中にあって、高級な部類に入る「カナディアンクラブ20年」。良質なオーク樽で20年も熟成させており、深い琥珀色や華やかで甘い香り、ふくよかなコクが堪能できます。

値段も高額なので毎日の晩酌というよりも、大切な人へのプレゼントや頑張る自分へのご褒美に飲みたい逸品です。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい リッチボディ
アルコール度数 40%
価格 14,747円

高級感がありながら万人受けする味【クラウン ローヤル】

1939年にイギリス国王へ献上するために産まれたカナディアンウィスキーです。国王の王冠にヒントを得ただけあり、他のウイスキーとは一線を画する高級感のあるボトルが特徴的。

手頃な値段でありながら口当たりはまろやか。クセがなくコクと香りのバランスに優れており、高級感がありながら万人に受ける味が楽しめます。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ライトボディ
アルコール度数 40%
価格 2,147円

ライ麦100%で作られるカナディアンの至宝【アルバータ プレミアム】

カナディアンウイスキーは風味を出すためにライ麦・大麦麦芽・ライ麦芽など麦類を使った「フレーバーリングウイスキー」と、トウモロコシなどを原料とした「ベースウイスキー」をブレンドしています。対して「アルバータ プレミアム」は、フレーバーリングウイスキーもベースウイスキーも100%ライ麦だけを使って作られています。

アルバータ州はライ麦の生育期間が少なくライ麦だけで作ると生産コストが高くなります。さらにライ麦は少ないデンプンを分厚いタンパク質が守っているため糖化させにくいという難点もあります。

作るのが難しくコストもかかってしまうため、ライ麦100%で作られたウイスキーはカナダでも希少なのです。口当たりはスッキリしていて、バニラのような甘みとわずかなスパイシーさを楽しむことができます。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ライトボディ
アルコール度数 40%
価格 1,980円

バーボンとシェリー酒をブレンドしたウイスキー【アルバータ ダークバッチ】

アルバータの特徴はライ麦100%で作られているのが特徴ですが、「アルバータ ダークバッチ」はライウイスキー91%、バーボン8%、シェリー酒1%をブレンドして作られています。

カナディアンウイスキーの風味に加え、バーボンとシェリーがドライフルーツやバニラのような甘さとスパイシーさを感じさせてくれます。さっぱりとしたカナディアンウイスキーよりも、重厚感のあるウイスキーが好みという人におすすめです。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ミディアムボディ
アルコール度数 40%
価格 4,980円

初めてウイスキーを飲む人にもおすすめ【シーグラム VO】

カナディアンクラブに次いでカナダを代表するウイスキーといえば「シーグラム VO」です。ライ麦とトウモロコシを主原料に、6年以上熟成させて作られています。ウイスキーは独特の味と香りが魅力ですが、初めて飲む人はアルコール臭が苦手という人も多いのです。

シーグラム VOはアルコール度数40%と高めながら、マイルドで爽やかな味わいが特徴です。初めてウイスキーに挑戦する人でも飲みやすいおすすめな一品です。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ライトボディ
アルコール度数 40%
価格 2,254円

まろやかで優しい口当たりが特徴【カナディアンミスト】


数あるカナディアンウイスキーの中でも、特に口当たりが柔らかくまろやかな「カナディアンミスト」。アルコール度数のわりに飲みやすいため、水割りやロックにすると薄くなりすぎてしまいます。

カナディアンミストを美味しく飲むならストレートがおすすめ。ウイスキーの入門としてぴったりです。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ライトボディ
アルコール度数 40%
価格 1,351円

スキットルに入った珍しいウィスキー【レゼルヴァ・デ・MFM】

ウイスキーといえば瓶のボトルに入っているのが大半です。ところが「レゼルヴァ・デ・MFM」は、最初からスキットルに入っています。さらに原産国はメキシコなのに、中身はれっきとしたカナディアンウイスキーというのも珍しさに拍車がかかっていますね。

味はカナディアンウイスキーらしいスッキリとした味わいを楽しめます。飲み終わったあとは別のお酒を入れ替えてスキットルとして使えてお得です。

ウィスキータイプ カナディアンブレンデッド
香り フルーティー
味わい ライトボディ
アルコール度数 40%
価格 1,810円

カナディアンウイスキーを美味しく飲む2つの方法


カナディアンウイスキーの風味の特徴は、良くも悪くも口当たりがまろやかで癖がないところです。原料にライ麦を使っているので、スパイシーな香りはありますが、スコッチのような癖の強いスモーキーさはありません。

あまり主張の激しいウイスキーではないカナディアンウイスキーを、最大限に活かせる美味しい飲み方を知っておきましょう。

1.カクテルのベースとしてまろやかさを味わう


カナディアンウイスキーはカクテルベースとしておすすめです。良い意味でウイスキーらしさがなくライトな飲み心地が魅力なカナディアンウイスキー。カクテルベースにしても、他の素材を邪魔することはありません。

「マンハッタン」や「ニューヨーク」、「ブルックリン」など、カナディアンウイスキーを使った人気カクテルにはたくさんあります。都会の落ち着いたバーで、カナディアンウイスキーを使ったカクテルを楽しんでみましょう

2.炭酸飲料で割って爽やかな喉越しを味わう


スパイシーな香りが特徴のカナディアンウイスキーは、炭酸飲料との相性がばっちり。ハイボール(ソーダ割り)にするのはもちろん、ジンジャエールやセブンアップなどで割って、ゴクゴクと喉越しを楽しみましょう。

カナディアンウイスキーを炭酸飲料で割ったものは、ビールの代わりとしても最適。ウイスキーが苦手という人でも、癖がないカナディアンウイスキーのソーダ割りなら楽しめます。

日本人ファンが多いカナディアンウイスキーを今すぐ購入


あまり目立った存在ではないカナディアンウイスキーですが、飲み口がまろやかでさっぱりとした味わいが楽しめるので、初めてウイスキーを飲む人におすすめです。

価格も1,000円から購入できますし、日本に輸入されているものは一定のクオリティが保証されているので美味しく飲めます。カナディアンウイスキーにはこういったたくさんのメリットがあります。

あまり知られていないからこそ、ウイスキー通な日本人ファンが多いカナディアンウイスキーを、今すぐ購入して味わってみてください。他のウイスキーで苦手意識を持った人でも、口当たりの良いカナディアンウイスキーを飲めばウイスキーの印象がガラリと変わるはずです。

自分好みの美味しいカナディアンウイスキーを見つけて、仕事が終わった後のリラックスタイムを楽しんでください。