アランモルトのおすすめ銘柄5選|人気のアイランズ系ウイスキーの特徴やベストな飲み方をご紹介
「お気に入りのウイスキーを見つけたいけれど、種類が多くて選びきれない」
「アランモルトという名前は聞いたことがあるけれど、どんなウイスキーなのか分からない」
確かに、ウイスキーは産地や材料によって種類が様々で、違いを知ってお気に入りを見つけるのはなかなか難しいですよね。
今回は、シングルモルトウイスキーの中から、アラン島のウイスキーの特徴や美味しく楽しめる飲み方を解説、さらにアランモルトのおすすめ銘柄を厳選して5つご紹介します。
最後まで読んでいただけば、アイランズ系のスコッチウイスキーについての知識が深まり、好みに合う銘柄を見つけられること間違いありません。ぜひ参考にしてみてください。
アランモルトとは?
アランモルトは、スコットランド西南部のアラン島の蒸留所で造られる、シングルモルトウイスキーです。2000年代以降の世界的なシングルモルトブームに乗って、大きく売上を伸ばしました。
アイランズ系のシングルモルトは島ごとの特徴が強く表れた個性的な味わいが特徴ですが、アランモルトは癖がなく飲みやすい口当たりのため、世界中で人気の銘柄となっています。
アラン島の地理や風土
アラン島はスコットランドの南西に位置している島で、5,000人ほどの人が暮らし、13の村から構成されています。西岸海洋性気候という気候区に属しており、夏でも気温が低く、冬もそこまで寒くはならず過ごしやすいのが特徴です。
上質な湧き水に恵まれている他、雨量も年間を通して安定しており、ウイスキーの製造に最適な条件を揃えています。また、島内にはアラン・ブリュワリーというビール醸造所も存在しています。
アランモルトの歴史
アラン島ではもともと、密造酒が盛んに製造されていました。高い税金から逃れるために、こっそりアラン島の良質な水が使われていたのです。しかし結局、1837年までに島で唯一の合法の蒸留所を含むすべての蒸留所が操業停止になり、アラン島でのウイスキー製造は一度途絶えてしまいます。
時を経て新しいアラン蒸留所が復活したのは、1995年のこと。今のスタイルになってからは、まだ20年ほどしか経っていない、若い蒸留所なのです。
有名な酒造メーカーのディレクターが、「プライベートの蒸留所を持ちたい」と考えたことから話が始まります。大量の上質な水が必要になること、そして作ったウイスキーを輸送するのに便利な場所であること、という条件を満たす土地として、アラン島が選ばれました。
蒸留所の再建にあたっては、今でいうクラウドファンディング方式が採用されました。先に債権を販売しておき、買ってくれた人には熟成した酒を優先的に届ける、という方法です。資金集めの課題も無事に解決し、1995年、約160年ぶりに島に蒸留所が復活すると、人口よりも遥かに多くの人々がお祝いに駆けつけました。
アランモルトが人気の3つの理由
アランモルトがウイスキーを愛する人々の間で人気を保っているのには、3つの理由があります。
2.単式蒸留器による芳醇な味わい
3.フレンチオーク樽による甘い香り
アランモルト美味しさの理由を、ひとつひとつ見ていきましょう。
1.シングルモルト専用の蒸留所
アラン蒸留所が再建された背景には、世界的なシングルモルトのブームがありました。流れに便乗するかたちで設立されたのがアラン蒸留所だったのです。
ウイスキーの種類をおさらいすると、原料によって大きく3種類に分けられます。
モルトウイスキー | 大麦の麦芽を使用 |
グレーンウイスキー | とうもろこしや小麦の麦芽を使用 |
ブレンデッドウイスキー | モルト・グレーンの要素を混ぜ合わせたもの |
アラン蒸留所では、ブレンド用の原酒の製造は一切行っておらず、量より質のシングルモルトの生産体制がとられています。アルコールの吸収率が良く、効率的にウイスキーを作ることができる「オプティック」という大麦の麦芽を使い、モルトの醍醐味を存分に引き出したウイスキーづくりが目指されています。
2.単式蒸留器による芳醇な味わい
新しい蒸留所には、扱いやすい連続式蒸留器という機械が導入されるのがほどんどです。しかし、アラン蒸留所ではあえて単式蒸留器(ポットスチル)を使用しています。
蒸留とは、液体を熱してできた蒸気を冷やすことによって、液体の純度を高める作業のことです。連続式蒸留という方法は比較的新しくできたもので、効率よく蒸留を進め、風味をあまり残さずにアルコール度数の高いお酒を作ることができます。
対して古くから採用されている単式蒸留は、アナログな方法で時間がかかりますが、複数回蒸留を行い徐々にアルコール濃度を高めながらも、風味を残すことができるのが特徴です。単式蒸留の方法をとっているアランウイスキーは、よりアラン蒸留所ならではのユニークな香りや味わい深さを感じやすくなっているのです。
3.フレンチオーク樽による甘い香り
アラン蒸留所では、新樽としてフランス産のオーク樽が使われています。高級ワインの熟成にも使われるフレンチオーク樽の中で熟成されることで、キャラメルやココナツの香りがつくのが特徴。他の個性的なシングルモルトに比べアランウイスキーが飲みやすいのは、この甘さのためなのです。
アランモルトの入手しやすいおすすめ銘柄5選
アランモルトは日本国内でも、ネット通販によって簡単に入手することができます。アイランズ系の個性的なシングルモルトウイスキーが好きな方は、要チェックです!入手しやすく美味しいおすすめのアランモルトを、5つご紹介していきます。
第1位 初心者にもおすすめな柔らかな口当たり【アランモルト10年】
現時点でのアランモルトのレギュラーボトルであり、日本でも入手しやすい一本です。フレンチオーク樽で熟成されることによる、バニラカスタードやマスクメロンなどの甘い香りが特徴になっています。マイルドな口当たりで、そこまでスモーキーさは強くないため、万人にとって飲みやすい銘柄です。
香り | フルーティ |
味わい | リッチボディ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 4,271円(700ml) |
第2位 ビターで大人の味わい【アランモルト14年】
10年ものよりも深い香りと味わいが特徴のウイスキーです。ドライフルーツのような香りがたち、少しビターな味わいを楽しむことができます。甘味を引き立て飲みやすくするには、ロックで飲むのがおすすめです。
香り | フルーティ |
味わい | リッチボディ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 6,710円(700ml) |
第3位 甘みとスパイス感を爽やかに楽しむ【アランモルト・ポートカスク】
甘い香りとスパイシーな味わいが特徴のウイスキー。バニラやココナツのような甘く柔らかい香りがふわっと鼻に抜け、シナモンや焼きりんごのようなスパイシーな味わいが楽しめます。ソーダで割ることによってより香りを立たせ、爽やかに飲むのがおすすめです。オーク樽らしい香りや味わいを感じやすい一本です。
香り | フルーティ |
味わい | リッチボディ |
アルコール度数 | 50% |
価格 | 5,630円(700ml) |
第4位 ブレンドならではの柔らかさ【ロバート・バーンズ・シングルモルト】
ブレンドによるまろやかさと深い味わいが特徴の一本。様々な年数熟成させたアランモルトのウイスキーをブレンドして作られました。ミルクチョコレートを思わせるようなマイルドさで、深みがありながら飲みやすいウイスキーです。複雑な味わいを、ストレートでゆっくりと味わってみてください。
香り | フルーティ |
味わい | リッチボディ |
アルコール度数 | 43% |
価格 | 価格:3,760円(700ml) |
第5位 燻した香りをゆったり楽しむ【マクリー・ムーア・ピーテッド】
アランモルトでは珍しい、ピーテッドタイプの麦芽を使用したスモーキーな一本。燃料の一つである泥炭(ピート)を燃やし、煙を麦芽にあてて麦芽を乾燥させています。アランモルトらしい柔らかく飲みやすいバニラの風味の味わいに、スモークの香りが加わった奥深いウイスキーです。ぜひストレートで味わい深さを堪能していただきたいです。
香り | スモーキー |
味わい | ミディアムボディ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 4,599円(700ml) |
アランモルトの美味しい飲み方2選
アランモルトには、スコッチシングルモルト特有の癖の強さはほとんどありません。そのため、ウイスキーに慣れていない人でも飲みやすく、シングルモルトの奥深さを味わっていただける銘柄なのです。まろやかな香りと口当たりを十分に堪能できる、おすすめの飲み方を詳しく解説していきます。
ストレート
アランモルトの完成度の高い味わいをもっとも深く感じられるのが、ストレートです。まろやかなアランモルトだからこそ、初心者や女性にもぜひトライしていただきたいです。フルーティーさも相まってゴクゴク飲めてしまうので、飲みすぎには注意してください。
ハイボール
バニラやメロンの甘い香りを楽しみたいなら、ソーダで割ってハイボールにするのがよいでしょう。爽快感が一気に増して、口に入れた途端にフルーティーな香りが鼻に抜けます。上品な口当たりでそこまで主張が激しくないので、食事と一緒に飲むのもおすすめです。
アランだけじゃない!個性があふれるアイランズ系シングルモルト5選
アランモルト以外にもスコットランドの島々にはたくさんの蒸留所があり、それぞれが個性的なシングルモルトを生み出しています。アランモルトに興味をお持ちなら、ぜひ他の島のユニークなシングルモルトにも手を出してみてください。
アイランズ系のシングルモルトの中から、おすすめを5つ厳選してご紹介していきます。
第1位 ユニークながら飲みやすい【ハイランドパーク12年】
スモーキーな香りと爽やかな味わいが特徴の一本。燻したような香りが豊かに立ちのぼりますが、ピート感が強すぎず飲みやすいです。柑橘系のフルーツのような爽やかな後味を存分に感じることができます。ソーダで割って、喉越しと余韻を楽しむのがおすすめです。
産地 | オークニー諸島 |
香り | スモーキー |
味わい | リッチボディ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 4,599円(700ml) |
第2位 ビターでスモーキーな大人の味【タリスカー10年】
甘みとスモーキーな香りがバランスよく楽しめる一本。ビターなチョコレートのようなほのかな甘みを感じ、アルコール感も強すぎず飲みやすいのでおすすめです。後味にスパイスを感じることができます。ロックでほのかな甘みを引き立てて飲むのがおすすめです。
産地 | スカイ島 |
香り | スモーキー |
味わい | ミディアムボディ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 4,599円(700ml) |
第3位 甘みを存分に楽しむ【スキャパ・スキレン】
バニラや花のような華やかな香りと、ドライフルーツのような甘みを感じることができる一本。飲んだ後にも口の中に甘みが広がり、シナモンのような余韻と相まって華やかに楽しむことができます。ロックで甘みを楽しむのがおすすめです。
産地 | オークニー諸島 |
香り | スモーキー |
味わい | ミディアムボディ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 4,599円(700ml) |
第4位 食事との相性がいいスパイシーさ【アイル・オブ・ジュラ10年】
ピート感が少なく、コショウのようなぴりっとした香りと、しょっぱさを残した余韻が特徴的な一本です。軽やかな味わいとスパイス感で非常に飲みやすく、コショウなどを使った同じくスパイシーな料理とよく合います。ソーダで割って、食事と一緒に楽しむのがおすすめです。
産地 | ジュラ島 |
香り | スモーキー |
味わい | ミディアムボディ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 4,599円(700ml) |
第5位 香りと余韻をしっとりと楽しむ【トバモリー10年】
バニラのような甘い香りに、燻したような香りがかすかに加わり、華やかさと深さを感じることができる一本です。ココナツのような、穏やかな甘みを含んだ後味が特徴的です。ストレートで香りを楽しむのがおすすめです。
産地 | マル島 |
香り | スモーキー |
味わい | ライトボディ |
アルコール度数 | 46% |
価格 | 4,599円(700ml) |
まずは手にしやすいアランモルト10年から飲み始めよう
今回は、アランモルトについて詳しく解説し、おすすめの銘柄をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
ウイスキーが好きで、よりマニアックな種類にも挑戦したい、という方には楽しんでいただけること間違いない、素晴らしいウイスキーです。入手しやすく、また飲みやすいアランモルト10年から始めて、個性的なアイランズウイスキーの世界にぜひ一歩踏み込んでみてください。