バローロワインのおすすめ10選|バローロの特徴や選ぶポイントを解説

「バローロワインを購入したいけど、何を選べば良いかわからない」
「年代や生産者でも選びたい、予算1万円以内で購入できるか不安」


「王様のワイン」といわれるバローロワインは、自分へのご褒美として楽しむのはもちろん、プレゼントとしても最適。ですが、ワインの知識がないと選ぶのに迷ってしまいますよね?


今回はバローロワインの特徴やおすすめをご紹介します。当記事を読むことで、美味しくて安いバローロワインがわかります。親しい友人や知人にプレゼントをする際にも、ぜひ参考にしてください。

目次

「バローロ」とは?イタリアを象徴する赤ワイン

「バローロ村」は、イタリア北部のピエモンテ州にあります。バローロ村周辺で作られる「バローロ」はイタリアを象徴する赤ワイン。「ワインの王様」や「王様のワイン」などと称されています。
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バローロワインはピエモンテを代表する最高級の黒ブドウ「ネッビオーロ」を100%使っています。ネッビオーロはタンニン(渋み)と酸が強いのが特徴。ネッビオーロを使用したバローロは強い渋みのあるワインになります。


ネッビオーロを使用していること以外にも「バローロ」と呼ぶにはいくつかのルールがあり、「アルコール度数13%以上であること」、「最低3年以上(うち2年を木樽で)熟成させること」などが決められています。

「バローロ」が愛される3つの理由

イタリアを代表するバローロワインが愛されている3つの理由があります。

    1.深みのある味わい
    2.現代の食生活に合うモダン派のバローロが登場!
    3.価格が安定している

世界中のワイン通を虜にしている、バローロワインの魅力を以下でご紹介します。

理由その1.深みのある味わい

バローロが愛される大きな理由は「深みのある味わい」です。
バローロに使用されている「ネッビオーロ」には、タンニンや酸が豊富に含まれています。最低でも3年という長い期間、じっくりと熟成して作られるので、渋みの元であるタンニンがコクを生み、深みのある味わいへと変化します。赤ワイン特有の渋みやコクを思う存分堪能できる最高級の嗜好品。タンニンが濃く抗酸化作用も高いので健康にもいいワインといえます。


ネッビオーロは栽培環境に非常に敏感で、イタリアのピエモンテ以外では突然変異を起こして栽培することが難しい品種。ネッビオーロの深みのある味わいはバローロでしか味わえないのです。

理由その2.現代の食生活に合うモダン派のバローロが登場!

現代の食事にもぴったりと合う「モダン派」のバローロが登場したのも魅力のひとつと言えるでしょう。



バローロは昔からありますが、タンニンと酸味が強い上に熟成させてから飲むのが基本で、飲み頃になるまで長期熟成が必要でした。世界中で高い評価を獲得したバローロですが、20世紀後半になるとフルーティーでタンニンが柔らかく、熟成期間の短いワインが主流となり、飲み頃まで数年を要するバローロは時代遅れとなっていったのです。


しかし、新しい時代の波に乗るために「バローロ・ボーイズ」と呼ばれるモダン派の生産者が誕生。製法や製造法などを改革し、バローロに大きな変化をもたらしたのです。現在ではモダン派バローロを中心に、長い熟成期間を経なくても美味しいワインを多く生産しており、「王のワイン」により手が届きやすくなっているのです。

理由その3.価格が安定している

バローロワインは価格が安定しているのも魅力です。高級ワインは値段も高くなりがちですが、バローロワインはイタリアを代表する高級ワインでありながら、3,000円から購入が可能。価格が安定した理由にはバローズボーイズの働きがあります。
熟成しなくてもすぐに飲める美味しいワインが増えたために、フランスの有名ワインが軒並み高騰している中でも、バローロの価格は比較的安定しています。


とはいえ、バローロワインは基本的には熟成させることで美味しさが増していくタンニンが豊富に含まれたワイン。年代物であるほど値段も上がっていくので、当たり年のものは今のうちに購入することをおすすめします。

バローロワインを選ぶ3つのポイント


一口にバローロワインと言っても、産地や造り手によって味がぜんぜん違います。バローロワインを選ぶ際には、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

    1.伝統派VS中間派VSモダン派「味わい」の違いを確認
    2.【東と西】の産地の違いをチェックする
    3.当たり年のワインを選ぶ

3つのポイントを参考に、美味しいバローロワインを購入しましょう。

1.伝統派VS中間派VSモダン派「味わい」の違いを確認

バローロワインの醸造は「伝統派」、「中間派」、「モダン派」に分かれています。各派には以下のような特徴があります。

伝統派 ・酸味、タンニンが強い
・ドライフルーツのような香り大樽を使って長期熟成させる
モダン派 ・数カ月~3年の熟成期間。
・果実味が強い。
・熟成期間が短めでも濃密な味が楽しめる
中間派

・両方の製法をバランスよく取り入れている

現在では中間派が増えており、各生産者によって多種多様な味わいが楽しめます。伝統派とモダン派では、以下のように味わいに差がある点にも注目しましょう。

  • 伝統派:数年~数十年の長期熟成により、濃厚な味わいが楽しめる。
  • モダン派:熟成期間が短め(数カ月)で、果実味が豊かな香りと味わいを気軽に楽しめる。

初めて飲むなら熟成期間が短く低価格でバローロワインを美味しく飲めるモダン派がおすすめです。

2.【東と西】の産地の違いをチェックする

バローロワインの産地には、大きく東と西のエリアに分けられています。バローロ村周辺にある11の村で、バローロの生産は認められていますが、中でも以下にご紹介する5つの産地は「バローロ5大産地」として有名です。

【西側】トルトニアーノ

●ラ・モッラ村
●バローロ村

西側はマンガンやマグネシウム、石灰質青い泥灰土が多い土壌で作られるバローロワインは、なめらかな味で香りも強いのが特徴です。

【東側】エレヴィツィアーノ

●モンフォルテ・ダルバ村
●セッラルンガ・ダルバ村
●カスティリオーネ・ファッレット村

東側は鉄分が多い赤茶色の土壌で作られるバローロワインはきわめて重厚。長期熟成することで、スパイシーで力強いパンチのきいた味わいを楽しめます。


モダン派が多いのは西側の「ラ・モッソ村」なので、新しいワインを飲むならラ・モッソのワインを選ぶと飲みやすいものと出会えます。

3.当たり年のワインを選ぶ

ワインを選ぶなら当たり年のものを選びましょう。同じ場所、同じブドウを使っていても、天気や温度によって味は異なります。


良質なブドウができるかは、春から秋までの間に晴れの日が多く、日照時間を十分に確保していること、収穫時期に大雨が降らないことが条件になります。「当たり年」はブドウの栽培や収穫に適した条件が整った年のことを意味しているのです。
美味しいバローロワインを楽しみたければ、当たり年をチェックしておきましょう。


ワインの当たり年を知るには、ヴィンテージとノンヴィンテージの違いについても知っておく必要があります。ヴィンテージはワインの原料となるブドウが収穫された年のことをいいます。
例えば、ワインボトルのラベルに2019年と表記されていたら、2019年に収穫されたブドウが使われていることを意味しています。対してノンヴィンテージは、複数年のブドウを使用していたり、ワインをブレンドするなどしていることを意味しています。


美味しいバローロワインを飲みたいなら、バローロ地方があるピエモンテ州のヴィンテージチャートをチェックしましょう。以下の年はピエモンテ州の当たり年と言われているので、バローロワインを購入する際にヴィンテージを確認する参考にしてください。

バローロワインの当たり年
2008年、2006年、2005年、2001年、2000年、1999年、1998年、1997年、1996年、1990年、1989年、1988年、1986年、1985年

バローロのおすすめワイン10選

お求めやすい価格で、美味しく飲めるバローロワインをご紹介します。ワインの特徴や伝統派、モダン派の他に、味わいにも注意してください。


赤ワインはタンニンの濃さによって「フルボディ」、「ミディアムボディ」、「ライトボディ」と区別されています。
フルボディなら色や渋み、酸味が強く果実味も豊か。ミディアムボディはフルボディとライトボディの中間にあり、渋み、酸味、香りのバランスが取れています。ライトボディは色も薄く渋みも少ない、サラッと軽い口当たりで飲みやすいワインのことをいいます。

上品なスミレのような香りが特徴【テッレ・ダ・ヴィーノ バローロ】

1980年にイタリア・ピエモンテの農家と生産者組合がタッグを組み「テッレ・ダ・ヴィーノ社」は誕生しました。モダン派の「テッレ・ダ・ヴィーノ社」が作る「テッレ・ダ・ヴィーノ バローロ」は、スミレのような芳しい香りが特徴です。モダン派ならではのフレッシュで凝縮された果実の味が楽しめるワインです。

 

価格 2,090円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 2015年、イタリア
グレード ヴィンテージ

イタリアを代表するバローロ【テッレ デル バローロ】

「テッレ・デル・バローロ」は、1958年に40の生産者が集まって設立されました。現在は約420の造り手が集まっており、イタリアを代表するバローロ最大のワイナリーとして有名です。


伝統派の醸造法を守っている「テッレ・デル・バローロ」ですが、ワインの渋みの元であるタンニンがそこまで多くないため、「ワインの渋みがちょっと…」という人でも飲みやすいのが特徴です。手頃な値段でバローロを楽しみたいなら飲んで損はありません。

 

価格 3,500円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 2012年、イタリア
グレード ヴィンテージ

スパイシーさが特徴【ジジ・ロッソ バローロ】

ホワイトペッパーのようなスパイシーさと、サクランボの香りが楽しめる伝統派の「ジジ・ロッソ バローロ」。バローロ地方の中心にあるジジ・ロッソは40年以上の歴史をもつワイナリーです。
しっかりとした酸味にホワイトペッパーに似たスパイシーさ。サクランボ、ヴァニラ、なめし革の香りが複雑に絡み合っているのが特徴的です。

 

価格 4,491円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 2013年、イタリア
グレード ヴィンテージ

プラムのような果実味が魅力【ナターレ・ヴェルガ バローロ】

「ワインの王様」といわれるバローロを気軽に楽しみたいなら、最新の技術を取り入れつつ伝統を守る「ナターレ・ヴェルガ」の「ナターレ・ヴェルガ バローロ」がおすすめ。
しっかりとしたタンニンと酸味、バラやブラックベリーなどの香りや濃いプラムの果実味が楽しめます。

 

価格 3,664円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 イタリア
グレード ノン・ヴィンテージ

最高・最上を追い求めるバローロ【チェレット・バローロ】

バローロの生産者として世界的に有名な伝統派の「チェレット」。「最上の畑で、最上の酒を作る」を信条にしています。大きな醸造所はもたず、畑ごとに醸造所を作るこだわりよう。


バローロは長期熟成を必要とするのが普通ですが、「チェレット・バローロ」は熟成期間が短くても美味しく飲めます。
赤ワインの渋みが抑えられているので、口当たりは柔らかくそれでいて力強さと繊細さのバランスが良いのが特徴です。

 

価格 9,108円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 2015年、イタリア
グレード ヴィンテージ

伝統的な製法で作られたバローロ【フォンタナフレッダ バローロ】


19世紀末にイタリアの初代国王の息子が、土地を譲り受けて作り始めた歴史あるワイナリー。
バローロを初めてヨーロッパの外に輸出した生産者として世界的に知られています。熟成は創業時から使われている「王のセラー」と呼ばれる木樽で行われています。


果実感とタンニンのバランスが絶妙で渋いワインが苦手な人でも無理なく楽しめます。

 

価格 4,729円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 イタリア
グレード ノン・ヴィンテージ

お手本のようなバローロ【プルノット バローロ】

「プルノット」は100年以上続く伝統派の老舗ワイナリーです。「王のワイン」といわれるバローロの中でも、最上級といわれる優良畑「プッシア」など、畑を買い足すことで自社畑を増やしていきました。
毎年50ヘクタール以上ある畑を全て調査し、土壌に最適な手入れの方法を模索しブドウの品質を高めています。


バラやスミレの香りと酸味が特徴的で、「これぞバローロ」という味と香りが楽しめます。

 

価格 5,993円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 イタリア
グレード ノン・ヴィンテージ

独創的な手法を取り入れたバローロワイン【バローロ アウダチェ】

「勇敢(アウダチェ)」という名前をつけられた、モダンな手法で作られたバローロワイン。
誰もやったことのなかったアパッシメント(陰干し)されたブドウを使っています。ブドウを陰干しすることで水分が抜け、糖分が濃縮してよりブドウ本来の甘味を味わうことができます。


甘みが強くなるため、赤ワインの苦味が和らぎ飲みやすくなります。バローロを飲みたいけど苦味や渋味が苦手という人におすすめです。

 

価格 4,048円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 イタリア
グレード ノン・ヴィンテージ

ゆっくりと熟成する伝統的製法で作られたバローロ【カーサ・ヴィニコラ・ニコレッロ バローロ】

伝統派の「ニコレッロ」は、「熟成されてこそ、ネッビオーロは真の実力を発揮する」というポリシーを抱いており、タンニンが強いブドウの品種「ネッビオーロ」を、大樽に入れてゆっくりと熟成する伝統的な製法にこだわっています。
ワインが飲み頃になるまで出荷せず、飲み頃が過ぎたら販売もしません。


タンニンの苦味や酸味が強く、飲んだ後の余韻を楽しみたい人にピッタリです。

 

価格 5,298円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 2008年、イタリア
グレード ヴィンテージ

酸味と渋味のバランスがとれたバローロ【フラッテリ・ジャコーザ バローロ】

「ワインの品質は畑で決まる」をモットにーしており、バローロワインに適した土壌や気候を備えた畑を選んでいます。ブドウをオーク樽で2年間熟成、瓶に詰めてからさらに1年間寝かせています。


辛口ながら酸味や渋みのバランスが良く、口当たりも滑らか。
ドライフラワーや薬草のような香りが特徴的。ブドウの良さを余すこと無く引き出されたバローロワインです。

 

価格 4,378円
品種 ネッビオーロ
味わい フルボディ
生産 2015年、イタリア
グレード ヴィンテージ

バローロのワインを美味しく味わう方法

せっかくバローロワインを購入したのなら、美味しく飲みたいですよね?以下にご紹介するポイントをしっかりと押さえておきましょう。

飲み頃は?新しいものはいつ飲んでもOK

モダン派の作るバローロワインは、いつ開けても美味しく飲めるのが最大のメリット。好きなタイミングで開けてOK。


伝統派のバローロワインは長期間の熟成が必要ですが、20年ほど熟成させたバローロワインは果実味がしっかりと味わえて、タンニンもまろやかなので初心者でも飲みやすくおすすめです。

美味しく飲める温度は16℃前後

バローロワインは16℃前後に冷やしておくことで美味しく飲めます。冷蔵庫などで30ほど冷やしておくと良いでしょう。温度が高いとアルコールを強く感じてしまい、飲みにくくなることもあります。

熟成させるのもバローロの醍醐味!美味しく保存する方法

ゆっくり熟成させるのもバローロの楽しみ方の1つです。ワインを保存するならワインセラーがベスト。ワインセラーがないのであれば、温度の変化が少ない押し入れや床下収納、北側に面した部屋に収納してください。
保存時は新聞紙や梱包材でワインをくるみ、横向きにしてダンボールなどに入れて保管しましょう。


ワインの保存で重要になるのが温度、湿度、光の3つ
暑すぎる場所に置いておくとワインの劣化が早まりますし、寒すぎると熟成の進みが遅く なります。


乾燥している部屋に保管するのもNG、65~80%の湿度が理想的です。乾燥している部屋においておくと、コルクが縮み瓶の内部に酸素が入ります。結果、酸化してワインの味が劣化 してしまうのです。


光や紫外線からも遠ざけておきましょう。直射日光が当たる場所に保管すると、化学変化を起こして味の劣化 に繋がります。せっかく美味しいワインなのでできるだけいい環境で保存して、美味しく飲んでくださいね。

バローロワインは手軽な価格でも購入できる!

イタリアを代表するバローロワインは、高級ワインでありながら価格が安定しています。およそ3,000円から購入できるので、気軽に楽しめるのも魅力。


初めてバローロワインを飲むけど、どれが美味しいか分からなというときは、ぜひ当記事を参考に選んでみてください。バローロワインはプレゼントにも最適なので、贈りたい相手にあわせたワインを選んでプレゼントしましょう。きっと喜んでもらえます。