【唯一格付けを覆した奇跡のワイン】シャトー・ムートン・ロートシルトのおすすめワイン7選
「ムートンのワインって高いけどそんなに美味しいの?」
「ムートンを飲んでみたいけどどれを買えばいいか分からない…」
「シャトー・ムートンロートシルト」は、ワインの格付けで第1級という最高ランクに位置づけられている高級ワインのひとつ。他のワインと比べてどれだけ美味しいのか気になっていても、いざ購入しようと思ったらどれを選んで良いかとても迷ってしまいますよね。
「せっかくなら本当に美味しい1本を手に入れたい!」という人のために、今回はシャトー・ムートンロートシルトの特徴やおすすめをご紹介します。当記事を参考にしていただくことで、シャトー・ムートンについて詳しくなれ満足のいく1本を見つけることができます。
- 1. 唯一無二の存在「ムートン・ロートシルト」とは?格付けを覆した奇跡ワイン
- 2. 「ムートン・ロートシルト」のワインの価値
- 3. 「ムートン・ロートシルト」のワインの特徴
- 4. ムートンのワイン6つを紹介
- 4.1. 格付け1級に上る前のヴィンテージワイン【シャトー ムートン ロートシルト[1967]】
- 4.2. 熟成の香りが鼻孔をくすぐる【シャトー ムートン ロートシルト[1969]】
- 4.3. 70年代で2番めに出来が良いワイン【シャトー・ムートン・ロートシルト[1975]】
- 4.4. ミディアムボディの味わいが楽しめる【シャトー ムートン ロートシルト[1978]】
- 4.5. 最高の年に作られたムートンワイン【シャトー ムートン ロートシルト [2005]】
- 4.6. ボルドーの古典的なワインが楽しめる【シャトー ムートン ロートシルト [2011]】
- 4.7. 2005年に勝るとも劣らない良品【シャトー ムートン ロートシルト[2015]】
- 5. ムートンのワインを最高の状態で味わう方法
- 6. ムートンは格付けを覆した奇跡のワインと覚えておこう!
唯一無二の存在「ムートン・ロートシルト」とは?格付けを覆した奇跡ワイン
「ムートン・ロートシルト」は、フランスの「ボルドー地方」にあるワイナリーです。ボルドーではブドウの栽培、ワイン醸造、瓶詰まですべて行う生産者を「シャトー(醸造所)」と呼び、格付けがされています。シャトーの格付けの中で最も権威があるのが、1855年に制定された「メドック格付け」です。
ムートンはメドック格付けで5つのシャトーしか認められていない最上位「第1級」の1つに選ばれており、「ラフィット・ロートシルト」、「ラトゥール」、「オー・ブリオン」、「マルゴー」、「ムートン・ロートシルト」の5つの第1級シャトーは「5大シャトー」と呼ばれています。
メドック格付けは、150年の歴史の中でたった1度だけ格付けを見直したことがあります。本来は覆ることのない決定を変えたシャトーこそ、ムートン・ロートシルトです。メドック格付けはユダヤ系の大富豪ロートシルト家がシャトーを購入した2年後、パリ万博開催のために制定されました。ムートンの1級獲得は当然と思われていたのですが、「赤フランス人がオーナーでない 」という理由で2級に落とされてしまいます。
予想外の結果に屈辱を味わわされたロートシルト家は「1級になれないが2級には甘んじれぬ、ムートンはムートンなり」と奮起。醸造や熟成方法の工夫やアートラベルを導入するなど、地道な努力の末に最初の決定から118年後、ついに1級への昇格を果たしたのです。昇格した際に「われ1級になりぬ、かつて2級なりき、されどムートンは昔も今も変わらず」という言葉を残したことでも知られています。
以下では「不変」といわれる格付けを覆した、奇跡のムートンの魅力を紹介していきます。
「ムートン・ロートシルト」のワインの価値
ムートン・ロートシルトのワインは、当たり年など出来の良さによって数万円~10万円ほどで取引されています。もしも手放す場合、ブドウの収穫時期を示す「ヴィンテージ」にもよりますが、買取価格はおよそ30,000円以上になります。過去には1945年ビンテージのシャトー・ムートン・ロートシルトのマグナムサイズ(1500mlボトル)6本入り1ケースが、オークションで345,000ドル(当時約4,070万円) で落札されたこともあります。
しかし、5大シャトーの中だけでみれば、ムートン・ロートシルトは決して高い方ではありません。一番高額な「シャトー・ラフィット・ロートシルト」を筆頭に、以下のように順番付がされています。
- シャトー・ラフィット・ロートシルト
- シャトー・ラトゥール
- シャトー・マルゴー
- シャトー・ムートン・ロートシルト
- シャトー・オー・ブリオン
品質のいいブドウが収穫できた「当たり年」かどうかで2位以下の順番は変動しますが、1位は変わることがありません。
当たり年とは品質のいいぶどうが収穫できた年で、ブドウが育つ春から秋にかけて晴れの日が多く、日照時間を十分に確保できており、収穫時期に大雨が降らない年をいいます。ブドウの育成や収穫に最高の条件が重なった当たり年のワインは高値で売買されています。ブドウが育つ春から秋までの間、晴れの日が多く、十分な日照時間が確保できること。そして収穫時期に大量の雨が降らないことです。
ムートンの当たり年は以下のようになっていますので、購入の際に参考にしてください。
シャトー・ムートン・ロートシルトの当たり年 |
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1986年、1996年、2000年、2003年、2005年、2009年、2010年、2013年、2014年 |
「ムートン・ロートシルト」のワインの特徴
ムートンの特徴も紹介していきます。ムートンは「ムートン式」と呼ばれるオークの木で作られた大タンクを用いて醸造した後、オークの新樽に移して熟成させる方法で生産しています。また、当時ワインは樽のまま出荷するのが当たり前でしたが、シャトーで始めてムートン・ロートシルトがワインの瓶詰めを行ったのです。以下ではムートンの味・香りや特徴的なラベルについても紹介します。
ムートンの味や香り
ムートン・ロートシルトの特徴は、濃厚で重く、タンニンをしっかりと感じられる味にあります。オーク樽で発酵するため、香りが強くでるのです。濃厚で芳醇な香りや上品な味わいから、ムートンは5大シャトーの中でも「派手」といわれています。ムートン・ロートシルトに使われるブドウは主に、カベルネ・ソーヴィニヨンです。他にもメルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドといったブドウが使われています。ムートンのカベルネ・ソーヴィニヨンの平均樹齢は45~50年、一部には100年近いものもあります。
毎年ラベルの絵がかわる「アートラベル」が特徴
『シャトー・ムートン・ロートシルト』の魅力は味や香りだけではありません。毎年絵が変わるラベルも見逃すことは出来ません。醸造・熟成に3年ほどかけるムートン・ロートシルトは、毎年冬になると3年前のヴィンテージがリリースされます。
リリースと同時に注目を集めるのがアートラベルです。1945年以降、毎年有名なアーティストにラベルの絵を依頼しているのです。過去にはミロ(1969)、シャガール(1970)、ピカソ(1973)、キース・へリング(1988)等の絵も採用されており、アートラベルをコレクションするコレクターもいるほどです。
ムートンのワイン6つを紹介
最高級の1角に位置づけられているシャトー・ムートン・ロートシルト。他のワインと味や香りで一線を画するムートンのワインを7つご紹介します。
格付け1級に上る前のヴィンテージワイン【シャトー ムートン ロートシルト[1967]】
1967年生まれの人にプレゼントするのにピッタリなシャトー・ムートン・ロートシルト。ラベルを描いているのはフランスの画家「Cesar(セザール)」。
1973年に行われたボルドーワインの格付けで1級に上がる前の貴重なワインです。当たり年ではないものの、シャトー・ムートン・ロートシルトらしい力強いタンニンやしっかりしたボディが特徴。渋みと厚みのバランスが取れた味わいや、コーヒーやバニラ、ミントなど複雑な香りが楽しめます。
価格 | 88,479円 |
色 | 赤 |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種 、メルロー種 、カベルネ・フラン種、プチ・ヴェルド種 |
味わい | フルボディ |
生産 | 1967年、フランス |
熟成の香りが鼻孔をくすぐる【シャトー ムートン ロートシルト[1969]】
1969年生まれの人へのプレゼントや、自分へのご褒美に飲んでみたいワイン。ラベルを描いているのはスペインの画家「Joan Miro(ジョアン・ミロ)」。1969年のフランス・ボルドー地方は、9月に降った雨で畑が原因でブドウの収穫も少なめでした。あまり良い出来ではなかった1969年のシャトー・ムートン・ロートシルトですが、カシスや紅茶、干したイチジクのような複雑な香り、全体的にまろやかな味が楽しめます。販売してすぐは評価が低かったものの、熟成を経た現在は飲みやすくなったと高い評価を得ています。
価格 | 110,699円 |
色 | 赤 |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種 、メルロー種 、カベルネ・フラン種、プチ・ヴェルド種 |
味わい | フルボディ |
生産 | 1969年、フランス |
70年代で2番めに出来が良いワイン【シャトー・ムートン・ロートシルト[1975]】
1973年に行われたワインの格付けで1級に上がった後に出来たワイン。ラベルはアメリカの画家・版画家・芸術家の「Andy Warhol(アンディ・ウォーホル)」が描いています。「偉大」と誉れ高い1970年には及ばないものの、70年代で2番めに出来が良いと絶賛されました。スパイシーながらカシスやチョコレートなどの甘い香り、完熟した果実味が凝縮されているのが特徴。熟成によりタンニンが柔らかっくなり、複雑でいてバランスの取れている極上品です。
価格 | 280,000円 |
色 | 赤 |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種 、メルロー種 、カベルネ・フラン種、プチ・ヴェルド種 |
味わい | フルボディ |
生産 | 1975年、フランス |
ミディアムボディの味わいが楽しめる【シャトー ムートン ロートシルト[1978]】
1978年生まれの人に送るのに最適なムートンワイン。ラベルはカナダの画家「Jean-Paul Riopelle(ジャン・ポール リオペル)」が描いています。1978年のフランス・ボルドー地方は、春の訪れが遅くワインの生産者を絶望させた年でもあります。シャトー・ムートン・ロートシルトの評価も、「第一級シャトーに期待される凝縮味と深みに欠く」という評価を受けていました。厳しい意見もありますが、ミディアムボディの味わい、コーヒーやベリー、カシスのような香りが堪能できる良質な出来になっています。
価格 | 95,229円 |
色 | 赤 |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種 、メルロー種 、カベルネ・フラン種、プチ・ヴェルド種 |
味わい | フルボディ |
生産 | 1978年、フランス |
最高の年に作られたムートンワイン【シャトー ムートン ロートシルト [2005]】
ワイン造りにおいて「最高の年」と評される2005年に作られたムートンワイン。ラベルはイタリアの彫刻家「ジュゼッペ・ペノーネ」が描いています。2005年のフランス・ボルドー地方では、ワインを作るのに最適な条件が整っていて、理想的なブドウが収穫されました。濃密な果実やバニラのような香り、力強いタンニンの渋みがありながら、ほんのりと香る甘みが絶妙なバランスを作り出しています。当たり年のシャトー・ムートン・ロートシルトが堪能できる逸品です。
価格 | 99,000円 |
色 | 赤 |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種 、メルロー種 、カベルネ・フラン種、プチ・ヴェルド種 |
味わい | フルボディ |
生産 | 2005年、フランス |
ボルドーの古典的なワインが楽しめる【シャトー ムートン ロートシルト [2011]】
「フランス・ボルドーが生んだ古典的なスタイルのヴィンテージ」と、高い評価を得ている2011年のシャトー・ムートン。ラベルはフランスの画家・彫刻家「ギ・ド・ルージュモン」が描いています。2011年は過去40年間で最も気温が高く、日照量も豊富で乾燥した年で、ブドウの完熟には最適といえる天候だったのです。2011年にできたムートン・ロートシルトは、スパイシーかつ赤系果実の香りが特徴。ムートンらしいタンニンの力強さがありながらも、滑らかでクリーミーな味わいが楽しめます。バニラやチョコレートの風味が心地良いムートンワインに仕上がっています。
価格 | 82,770円 |
色 | 赤 |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種 、メルロー種 、カベルネ・フラン種、プチ・ヴェルド種 |
味わい | フルボディ |
生産 | 2011年、フランス |
2005年に勝るとも劣らない良品【シャトー ムートン ロートシルト[2015]】
「最良の年」と高い評価を得ている2005年に、勝るとも劣らない出来といわれる2015年のシャトー・ムートン。ラベルを描いているのはドイツの画家「GERHARD RICHTER(ゲルハルト・リヒター)」。2015年のフランス・ボルドーは、平均に比べて若干高温で乾燥した年でした。平年を上回る降水量とも相まって、2005年に似たブドウにとって良い環境が整ったのです。まろやかで濃密なタンニン、ブラックベリーやブルーベリーのような香りに、トーストしたパンやリコリスのような香りが複雑に絡み合っています。完熟した果実味にペッパーに似たスパイシーさが楽しめる良質なムートンワインです。
価格 | 92,318円 |
色 | 赤 |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種 、メルロー種 、カベルネ・フラン種、プチ・ヴェルド種 |
味わい | フルボディ |
生産 | 2015年、フランス |
ムートンのワインを最高の状態で味わう方法
ムートンのワインを最高の状態で美味しく味わうには、いくつかポイントを押さえておく必要があります。以下にご紹介するポイントを参考に、最高のムートンワインを味わってください。
美味しい飲み頃と保存方法
ムートンワインは長期熟成型で、10~15年ほど保管して熟成させる必要があります。保管に最適な保管温度は12~17℃。保管場所としておすすめなのはワインセラーですが、すぐに用意できないようであれば短期間なら冷蔵庫もOKです。ただし、冷蔵庫の長期保管は温度が低すぎるためおすすめできません。最高の状態で保管するためにも、可能であればワインセラーも購入しましょう。
ワインセラーがなく冷蔵庫で保存する場合、以下の3つに注意してください。
- 新聞紙とプチプチなどの緩衝材で全体を隠すように巻き横に倒して保管する
- なるべく高い温度設定にする
- 冷蔵庫から出したときに急激に温度が上がらないようにする
新聞紙でワインをくるむのは光を遮るためです。ワインは光でも劣化してしまうほど繊細。冷暗所での保管が理想的です。
冷蔵庫は平均温度5℃とワインを保管する適温より低いので、冷えすぎを防ぐために緩衝材で巻き、できるだけ高めの温度に設定してください。冷風の吐き出し口から遠い野菜室など温度の差が穏やかな場所で保管しましょう。
冷蔵庫から出すときは、急激に温度が上がらないようにボトルをタオルなどで巻いてください。ワインの温度が急激に上がると、熱劣化を起こしワインの風味がなくなり酸っぱくなってしまいます。
美味しい飲み方
ワインを美味しく飲める温度は16~18℃とされています。香りが最も引き立ち、ワインの魅力を最大限に引き出す温度です。20℃を超えるとワインの香りよりもアルコール臭が強くなり、逆に温度が低すぎると、渋みが強くなってしまいます。ボトルからグラスに注ぐ際、温度が1~2℃上昇することを想定して15℃を目安に冷やす など温度管理をしっかり行いましょう。
ムートンは格付けを覆した奇跡のワインと覚えておこう!
シャトー・ムートン・ロートシルトは、唯一格付けを覆した奇跡のワインです。格付け1級を取ることを目指し、たゆまぬ努力と創意工夫を続けることで100年以上の時を経て悲願を達成した高級ワインなのです。特別な人へのプレゼントや、頑張る自分へのご褒美に、ぜひ「シャトー・ムートン・ロートシルト」を飲んでみてはいかがでしょうか。