スコッチとバーボンって何が違うの?2大ウイスキーの特徴とおすすめ銘柄をご紹介
「ウイスキーに詳しくなりたいけれど、種類が多くてよく分からない」
「お気に入りのウイスキーを見つけてバーなどで注文してみたいけれど、選びきれない」
確かに、ウイスキーは原料や産地によって独特の味わいの個性を持っているため、自分に合うものを見つけるのはなかなか難しいですよね。
この記事では、ウイスキーの種類の中でもよく耳にする「スコッチ」と「バーボン」について、それぞれの特徴や違いを詳しく解説していきます。さらに、それぞれのおすすめの銘柄を厳選してご紹介します。
最後まで読んでいただけば、スコッチとバーボンとは一体何なのかを深く理解し、ウイスキーの導入としてどの銘柄に挑戦してみたいか、お気に入りの一本を見つけていただくことができます。ぜひ参考にしてみてください。
- 1. スコッチもバーボンもウイスキーの一種
- 2. スコッチウイスキーの特徴
- 3. バーボンウイスキーの特徴
- 4. スコッチとバーボンの違いが分かる5つのポイント
- 5. スコッチとバーボンの違いを理解するために人気銘柄を飲み比べよう!
- 5.1. スコッチウイスキーを代表する人気銘柄5選
- 5.1.1. スモーキーな香りを存分に楽しむ【ラフロイグ セレクトカスク】
- 5.1.2. 飲みやすく豊かな味わい【ザ・マッカラン 12年】
- 5.1.3. フルーティな香りと甘みが柔らかい【グレンフィディック 12年】
- 5.1.4. スコットランドで人気No.1の銘柄【フェイマスグラウス ファイネスト】
- 5.1.5. 食事と一緒に楽しみたい【オールドパー 12年】
- 5.1.6. バーボンウイスキーを代表する人気銘柄5選
- 5.1.7. 力強い味わい【ワイルドターキー 8年】
- 5.1.8. とうもろこし由来の甘み【IWハーパー ゴールドメダル】
- 5.1.9. 複数の原酒を合わせて作った【フォアローゼズ】
- 5.1.10. すっきり飲みやすく食事に合う【ジムビーム】
- 5.1.11. クセがなく飲みやすい【アーリータイムズ イエローラベル】
- 5.1. スコッチウイスキーを代表する人気銘柄5選
- 6. スコッチとバーボンの違いを理解してウイスキーをさらに楽しもう
スコッチもバーボンもウイスキーの一種
スコッチもバーボンも、共にウイスキーの一種です。スコッチとバーボンの違いを知る前に、まずはウイスキーとは何なのかを理解しましょう。詳しく解説していきます。
ウイスキーの3つの条件
国によって定義は少しずつ異なりますが、ウイスキーと呼ばれるためには、基本的に以下の3つの条件を満たす必要があります。
②蒸留酒であること
③木樽熟成をしていること
この3要素が、ウイスキーの特徴を形作っているのです。
- ウイスキーと同じく樽で熟成する蒸留酒であるブランデーは原料がぶどうなどの果実であり穀物ではありません。
- また、ウイスキーと同じ大麦が原料のビールは醸造酒であり、蒸留されていません。
- 麦焼酎は、ウイスキーと同じ大麦が原料で蒸留もされているのですが、木樽ではなくステンレス製のボトルで保管がされます。
このように、この3つの条件がウイスキーのお酒としての根本を成しているのです。
ウイスキーの5大産地
ウイスキーには5大生産地があり、それぞれ製造されるウイスキーには個性があります。
・アイリッシュウイスキー
・アメリカンウィスキー
・カナディアンウイスキー
・ジャパニーズウイスキー
原料や製造方法にそれぞれ違いがあり、味わいや香りは生産地によって異なります。
- スコッチウイスキーの産地であるスコットランドは、世界最大のウイスキーの産地であり世界中で消費されているウイスキーの6割が生産されています。
- アイリッシュウイスキーはアイランドで生産されるウイスキー。ウイスキー発祥の地であり、伝統的な製法で造られるウイスキーが人気です。
- アメリカンウイスキーは、バーボンやテネシーなどの種類があります。トウモロコシが原料であり、独特の甘さとパンチのある力強い味わいが特徴です。
- カナディアンウイスキーの特徴はまろやかな味わい。カナディアンブレンデッドとよばれる口当たりの良い軽い味わいが人気です。
- ジャパニーズウイスキーの特徴は、職人気質ならではの繊細な味わい。近年は世界中で人気となっており、在庫不足により価格が急騰しています。
バーボンはアメリカンウイスキーの代表的存在であり、スコッチもバーボンも共に5大ウイスキーのひとつとして広くたくさんの人々に愛されているのです。
スコッチウイスキーの特徴
スコットランドは世界で最もウイスキーの生産が活発な国です。世界で消費されるウイスキーの6割近くがスコッチウイスキーになっています。
スコッチの定義
スコッチウイスキーは法律上で定義が詳しく決められています。そのうちの一部をご紹介します。
・700リットル以下のオーク樽で3年以上熟成されている
・製造・熟成のみに由来する色、香り、味を持っていて、何も添加されていない
・少なくとも40%のアルコール度数があること
スコットランドで作られているだけでなく、以上のような細かい条件を満たした物だけがスコッチウイスキーと呼ばれるのです。
スコッチの種類
スコッチウイスキーには、シングルモルト、ブレンデッドなどの種類があります。
シングルモルトは大麦のみを原料とし、単式蒸留という伝統的な蒸留方法を使って作られる個性の強い種類です。
これに、グレーンウイスキー(大麦以外の穀物も合わせて作られたウイスキー)を混ぜ合わせて作ったのがブレンデッドウイスキーです。個性を補い合い、比較的穏やかな味わいになっている種類です。
スコッチの風味
スコッチウイスキーは、鼻に抜ける燻した香りが特徴です。原料の穀類を乾燥させるために泥炭(ピート)を燃やした煙を使用していることから、香りがつきます。香りは独特ですがほのかな甘みがあり、ウイスキーを初めて飲む方でも、上級者でも楽しめます。スモーキーさを楽しむことができる、深みのある味わいの銘柄が多いのが、スコッチウイスキーです。
バーボンウイスキーの特徴
バーボンはアメリカンウイスキーのひとつです。蒸留所あるケンタッキー州のトウモロコシと、ライムストーンウォーター由来の力強いパンチのある味わいが特徴です。
バーボンの定義
日本においては定義はありませんが、アメリカの法律上ではバーボンウイスキーの定義が詳しく決められています。
・原材料の半分以上がとうもろこしであること
・内側を焦がした新品のオーク樽を使用して熟成されていること
・着色料を使用していなこと
・40%以上のアルコール度数あがあること
上記は一部ですが、細かい条件を満たしたものだけが、バーボンウイスキーとして宣伝、販売することを許されています。
バーボンの種類
今回はバーボンについて詳しくご紹介していますが、バーボンはあくまでアメリカンウイスキーの一種です。アメリカンウイスキーの中には他にも、テネシー(法律的にはバーボンウイスキーの一種とも言えるが、テネシー州で生産されたものであることがブランド化している種類)などがあります。
また、バーボンの中にも、熟成年数の違いによって「スタンダード」「プレミアム」「スーパープレミアム」という分類があります。スタンダードは3〜4年熟成されたものを指しますが、プレミアムは5〜8年、スーパープレミアムは6〜10年以上熟成されています。スーパープレミアムは、より手間もかかり生産本数も少ないため、希少価値の高いウイスキーとして愛されています。
バーボンの風味
アメリカンウイスキーは、甘く柔らかい飲み口とほのかなスパイシーさが特徴です。甘みは原料のトウモロコシ、スパイシーさは新樽を使って行う熟成に由来します。スコットランドでウイスキーに重税が課せられるようになり、蒸留業者たちが逃げ込んだ先がトウモロコシの栽培に適した土地だったことから、トウモロコシを原料に使ったバーボンウイスキーの製造が確立されていきました。
甘みがあって飲みやすく、また入手しやすいため、初めてウイスキーを飲む方でも楽しんでいただけます。バーなどに置かれていることも多いで、ぜひ試してみてください。
スコッチとバーボンの違いが分かる5つのポイント
同じウイスキーでありながら、スコッチとバーボンには、生産された国以外にも大きな違いがあります。以下のポイントに注目することで、より2つのウイスキーの違いが明確になります。詳しくみていきましょう。
主原料が違う
スコッチの主原料はモルト(大麦麦芽)であり、モルティとよばれる穀物のリッチな味わいが特徴です。対して、バーボンの主原料はトウモロコシで、トウモロコシ由来のスイートな味わいが特徴になっています。
原料が異なることで味わいにも大きな違いが生まれてくるのです。飲み比べてみると分かりますが、同じウイスキーというお酒であっても味わいの方向性はスコッチとバーボンでは大きく異なります。
製造方法が違う
スコッチのモルトウイスキーは、昔ながらの単式蒸留機(ポットスチル)で2~3回の蒸留を行うことによって作られます。この方法によって原料の風味が残りやすく、個性的な味わいになります。
対してバーボンは、連続式蒸留機で1回蒸留するだけです。連続式蒸留機による蒸留は単式蒸留機を用いるのに比べて効率的ですが、原料の風味は残りづらく、クリアな味わいになります。
スコッチウイスキーに濃厚な深みのある味わいがあり、バーボンにはパンチのある力強い味わいがあるのには、蒸留方法の違いも影響しています。
熟成樽が違う
スコッチが熟成される樽は、シェリー酒、ワイン、ビール、バーボンなどの熟成が行われた樽の二次使用です。そのため、元のお酒の風味がウイスキーに残ることになります。
対して、バーボンが熟成される樽は、新樽のみ。樽の内側がバーナーで炙って焦がされていおり、日向くさい香りや味わいになるのが特徴です。
熟成年数が違う
スコッチは古樽を使っているため、熟成に時間がかかります。そのため、熟成年数が10年を超すものが一般的に出回っています。
対して、バーボンは新樽を使っており、木の成分が大量に溶出するため熟成が比較的早く進みます。そのため、市場に出回っている多くのバーボンの熟成年数は、4年~8年程度になっています。
味わいと香りが違う
スコッチは、ピートによるスモーキーさ、シェリー樽などによるフルーティーさなどが特徴です。
バーボンは、カラメルやバニラのような甘さ、力強いスパイシーな味わいが特徴です。連続式蒸留機と新樽熟成のために、スコッチと比較すると味がはっきりしいているのも大きな違いです。
スコッチとバーボンの違いを理解するために人気銘柄を飲み比べよう!
スコッチとバーボンの違いについて詳しく解説してきましたが、実際に飲み比べてみると違いは一目瞭然です。両者の定番銘柄を入手して、じっくり飲み比べをしてみてください。
スコッチウイスキーを代表する人気銘柄5選
スモーキーさ、フルーティーさが特徴的なスコッチウイスキーの中から、おすすめの銘柄を厳選して5つご紹介していきます。
スモーキーな香りを存分に楽しむ【ラフロイグ セレクトカスク】
鼻に抜ける燻したような香りとドライながら甘みを感じられる味わいが特徴の一本。
ピート(泥炭)を利用して作られたスコッチらしい香り高いウイスキーなので、ストレートで飲むか、少し飲みづらければハイボールにして独特の香りを楽しむのがおすすめです。シングルモルトですが味わいのクセが強すぎず、スコッチウイスキーの良さを存分に感じていただける銘柄です。
産地 | スコッチ |
種類 | シングルモルト |
香り | スモーキー |
味わい | ほのかな甘みを感じる |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 3,792円(700ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者、上級者共に楽しめる |
飲みやすく豊かな味わい【ザ・マッカラン 12年】
濃厚でどっしりとした重みのある味わいながら、きつすぎず飲みやすい一本。
スコッチウイスキーらしいほどよい甘みを楽しむならストレートで、より飲みやすさを重視するならハイボールにしても美味しく召し上がっていただけます。ドライフルーツのような香りやスパイシーな後味が特徴的な、王道のスコッチウイスキーです。
産地 | スコッチ |
種類 | シングルモルト |
香り | ドライフルーツ |
味わい | どっしりとして濃厚 |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 6,640円(700ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者 |
フルーティな香りと甘みが柔らかい【グレンフィディック 12年】
洋梨を思わせるフルーティで華やかな香りと、トゲのない柔らかな甘みが特徴の一本。
お酒のキツさも少なく上品な味わいで、ウイスキーにあまり慣れていない人にも楽しんでいただけます。重たすぎないので、ロックでゆっくり味わっていただくのがおすすめ。甘みの際立つ、とても飲みやすいウイスキーです。
産地 | スコッチ |
種類 | シングルモルト |
香り | 洋梨 |
味わい | クリームのような甘みとコク |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 2,980円(700ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者 |
スコットランドで人気No.1の銘柄【フェイマスグラウス ファイネスト】
深みのある甘い香りと、香りに導かれるプラムのような甘み、ナッツのような香ばしさを感じることのできる一本。
酸味や甘みのバランスがよく、水やソーダを加えても味わい深さが消えないので、ハイボールにしてさっぱり飲むのがおすすめです。一本の中で、様々な味わいを感じることができる、複雑で奥の深いウイスキーになっています。本場スコットランドで大人気の味をぜひお楽しみください。
産地 | スコッチ |
種類 | ブレンデッド |
香り | プラムのような深く甘い香り |
味わい | 香ばしい |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 1,695円(700ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者 |
食事と一緒に楽しみたい【オールドパー 12年】
甘みのある華やかな香りと、まろやかで柔らかい味わいが人気の一本。
出汁のきいた料理や、塩で味付けしたさっぱりした和食などと合わせても、味わいを引き立て美味しく召し上がっていただけます。まろやかさを存分に楽しむため、水割りで飲むのがおすすめです。強烈なお酒感はなく、料理の旨味を引き立ててくれる、優しい味わいのウイスキーです。スコッチらしい、深みのある甘さをお楽しみください。
産地 | スコッチ |
種類 | ブレンデッド |
香り | フルーツのような甘み |
味わい | まろやか |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 3,596円(750ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者、上級者共に楽しめる |
バーボンウイスキーを代表する人気銘柄5選
甘みやスパイシーさが特徴のバーボンウイスキーの中から、おすすめの銘柄を厳選して5つご紹介していきます。
力強い味わい【ワイルドターキー 8年】
アルコール度数が高く、スパイシーで力強い味わいの一本。
ハイボールにしても力強さは失われず、飲みごたえがあります。香ばしい香りも強くなるのでおすすめです。内側を焦がした樽を使って熟成されたバーボンらしい、他にはない香ばしさとコクの深さを楽しんでいただけるウイスキーです。
産地 | アメリカ |
種類 | バーボン |
香り | ドライフルーツ |
味わい | 焦がしたような香ばしさ |
アルコール度数 | 50.5% |
価格 | 3,522円(700ml) |
おすすめの人 | 上級者、癖の強さが好きな人 |
とうもろこし由来の甘み【IWハーパー ゴールドメダル】
原料のうちとうもろこしの比率が高いため甘みが強く、繊細な味わいの一本。
ハイボールにして、さっぱりと甘みの中に酸味や苦味を楽しむのがおすすめです。甘みと、とろっとした口当たりの良さを存分に楽しむことができるウイスキーです。
産地 | アメリカ |
種類 | バーボン |
香り | 甘く華やか、バニラ風 |
味わい | とうもろこし由来の甘み |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 2,047円(700ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者 |
複数の原酒を合わせて作った【フォアローゼズ】
通常のウイスキーは1種類の原酒から生まれるのに対し、フォアローゼズは10種の原酒をブレンドして作られています。様々な個性や香りをもつ原酒をいいバランスで掛け合わせることにより、バランスのよい味わいとなめらかさが実現しました。ストレートでじっくり味わうか、水で割って香りの伸びを楽しむのがおすすめ。まろやかさや、甘い花の香りを感じることのできるウイスキーです。
産地 | アメリカ |
種類 | バーボン |
香り | 花 |
味わい | まろやか |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 1,345円(700ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者 |
すっきり飲みやすく食事に合う【ジムビーム】
甘みが強くなく、さっぱり爽やかに飲むことができます。
ハイボールにするとバーボンらしい、とうもろこしや樽由来の香ばしさを感じやすく、油ものにもよく合います。クセがなく毎日飲んでも飽きのこない味わいで、初めての方でも飲みやすいウイスキーです。
産地 | アメリカ |
種類 | バーボン |
香り | コーンの香ばしさ |
味わい | 甘みが少なくすっきり |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 1,259円(700ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者 |
クセがなく飲みやすい【アーリータイムズ イエローラベル】
甘く華やかな香りと、甘みがありつつビターな味わいが特徴の一本。
スタンダードな味わいでクセがなく、初めての人でも楽しんでいただけます。ストレートやロックでも、割っても飲みやすいです。価格も低く、身近に楽しめるウイスキーです。
産地 | アメリカ |
種類 | バーボン |
香り | バニラ |
味わい | 焦がしたカラメル |
アルコール度数 | 40% |
価格 | 1,422円(700ml) |
おすすめの人 | ウイスキー初心者 |
スコッチとバーボンの違いを理解してウイスキーをさらに楽しもう
今回は、ウイスキーの中でも有名なスコッチとバーボンについて、それぞれの特徴や違いについて詳しく解説、さらにおすすめの銘柄を厳選してご紹介してきました。様々な種類のあるウイスキーの中でも、最初に挑戦してみたいお目当ての銘柄が見つかったでしょうか。
この記事を参考にお気に入りの一本を見つけ、ぜひ奥深いウイスキーの世界を楽しむきっかけにしてみてください。