ジンってどんなお酒?ジンベースのおすすめカクテル20選を紹介

「ジンベースのカクテルって、ジントニック以外に何があるんだろう?」
「自分でも簡単に作れるジンベースのカクテルが知りたい」

さっぱりして美味しいジントニックは多くの居酒屋で提供されていますが、ジントニック以外のジンベースカクテルってなかなか出会う機会がないですよね。

本記事ではベースに使われるジンの魅力や、ジンベースのおすすめカクテルを紹介します。ジンについての知識を深め、バーや自宅でもジンベースのカクテルを楽しみましょう。

目次

カクテルベースによく使用される「ジン」とは?独特な香りがある理由


「ジン」はウォッカ・ラム・テキーラと並ぶ4大スピリッツ。
スピリッツとは蒸留酒のことで、熱で温めてアルコールを気化させ、再び液化させることで作られます。蒸留するほどアルコールが高くなるため、4大スピリッツはアルコールが高いということを覚えておきましょう。

ジンの特徴の1つが独特な香りです。蒸留中に「ジュニパーベリー」など複数の「ボタニカル」と呼ばれる植物成分を加えることで香りがついています。
なぜ香りづけが行われるかというと、ジンはもともと医師によって作られたお酒で、熱病対策に利尿剤として開発されたものであるため。ジュニパーベリーは利尿効果のある薬草なので使用されました。

ジンは独特の香りがあるため、初めて飲んだ時は「飲みにくい」と感じる人も多いお酒です。しかし、実は独特の香りがジンの魅力にもなっています。

続いては、ジンベースのカクテルが持つ魅力について紹介していきます。

ジンベースのカクテルの2つの魅力


ジンベースのカクテルが持つ魅力は以下の2つです。

  • ジンは原料や香りづけ成分が自由
  • 楽しみ方が豊富

上記の2つの魅力について、詳しく見ていきましょう。

ジンは原料や香りづけ成分が自由である


ジンは原料や香りづけ成分が自由なので、同じジンでも銘柄が違えば全く違う味わいが楽しめます

ジンがジンであるための条件は以下の2点です。

  • 「蒸留酒」である
  • 「ジュニパーベリー」で香りづけされている

蒸留酒の原料となる穀物も決まりはなく、大麦でもライムギ、ジャガイモでも何を使っても蒸留酒であればOKです。

そして「ジュニパーベリー」を使っていれば、他に香りづけで使用する植物成分「ボタニカル」も自由
現在様々なものが使用されており、ジュニパーベリーのほかには以下のボタニカルがよく使用されています。

  • コリアンダー
  • アンジェリカ
  • レモン
  • オレンジ
  • シナモン
  • アニス
  • フェンネル
  • カルダモン
  • オリス
  • キャラウェイ

コリアンダーやアンジェリカは定番で使われるボタニカルです。アニスやフェンネルなど普段あまり耳にしないボタニカルが使われることもあります。

銘柄によって、使用するボタニカルの種類も量も全く異なり、中には40種以上のボタニカルを使用しているジンもあります。ジンほど自由なお酒はあまりないことから、銘柄によって香りや味わいの個性を楽しめるのがジンの大きな魅力です。

楽しみ方が豊富


ジンベースカクテルの魅力は、楽しみ方が豊富なことも挙げられます。

前項でも紹介したように、ジンは銘柄自体に様々な味や香りがあります。同じ割合でカクテルを作っても、銘柄の違うジンを使うだけで全く違う味や香りになるのが面白いところです。
ジンとトニックウォーターで作る定番カクテル「ジントニック」であっても、銘柄によって全く違う味になります。
バーには必ず複数のジンが用意してあるので、バーでジンベースのカクテルを飲む際はぜひ銘柄を変えて飲み比べてみてください。

今回はジンをベースに使ったカクテルを紹介します。定番のものから日本ではあまり耳にしないマニアックなものまで、さまざまなジンベースカクテルを見ていきましょう。

ジンベースカクテルを選ぶポイント


ジンベースカクテルを選ぶときは、アルコール度数に注意しましょう。ジンはアルコール度数の高いお酒なので、美味しいからと飲みすぎると、あっという間に酔っぱらってしまいます。

ジンのアルコール度数は40度ほど。アルコール度数の高いお酒は、カクテルの名前だけでは見分けられません。何かと割っていたとしても、中には度数30度越えのカクテルもあるので注意が必要です。

シェイカーを振って作り、カクテルグラスで提供される「ショートドリンク」は基本的にアルコール度数が高いものが多いです。
ショートドリンクはシェイカーで激しく振ることで空気を含んで味がまろやかになっており、度数が高くても美味しく飲めるので、気を付けないと飲みすぎてしまいます。普段度数の高いお酒を飲む習慣がない方は選ばないほうが良いでしょう。
バーでショートドリンクを飲む場合は度数を低く作ってもらえる場合もあるので、バーテンダーに相談してみてください。

アルコールが弱い人におすすめなのは「ロングドリンク」と呼ばれる氷が入ったタイプです。炭酸やジュースなどノンアルコールのもので割っていることが多く、比較的度数も低くなります。

今回はロングドリンクとショートドリンクをで分けて紹介していきます。宅飲みやバーでジンベースカクテルを飲む際に、ぜひ参考にしてください。

【ロング】ジンベースカクテル10選


氷入りで、時間をかけて楽しめるロングドリンク。ジントニックをはじめ、ジンベースのロングドリンクは爽やかで飲みやすい味わいのカクテルがたくさんあります。
では、ジンベースのロングドリンク10選を見ていきましょう。

シンプルで簡単に作れる定番カクテル【ジントニック】


ジンベースカクテルの中で最も有名なのがジントニック。ジンをトニックウォーターで割るだけのシンプルなカクテルです。
少しビターでさっぱりとした味わいのカクテルで、数あるカクテルの中でも特に人気があります。
自宅でも簡単に作れるカクテルなので、ぜひチャレンジしてみてください!

    材料

  • ドライジン
  • トニックウォーター
  • 飾り用ライム
作り方

氷を入れたグラスにドライジンを注ぎ、マドラーで軽くかき混ぜて氷とジンを馴染ませます。そこにトニックウォーターを注ぎ、ライムを飾れば完成!
ジンとトニックウォーターの割合は1:3か1:4が目安です。

熱帯植民地で労働をしていたイギリス人が「健康飲料として飲んでいたトニックウォーターにジンを入れてみたらびっくりするほどおいしくなった」というのがジントニックの誕生エピソードです。

ライムを飾るのが一般的なジントニックですが、タイムやローズマリーなどのハーブを入れると爽やかな香りがプラスされ、見た目も華やかになります。グレープフルーツやオレンジの皮を薄くスライスして乗せるのもおすすめです。

ほんのり甘くて飲みやすい【ジンバック】


ジンジャーエールとレモンのさわやかな味で、夏に飲むと美味しいジンバック。使用するジンジャーエールによっては甘みもプラスされて、お酒が苦手な方でも飲みやすいカクテルです。

ロンドンの「バックスクラブ」発祥のカクテルなので「ロンドンバック」とも呼ばれています。

    材料

  • ドライジン45ml
  • レモンジュース(レモン果汁)30ml
  • ジンジャーエール
  • 飾り用レモンまたはライム
作り方

氷の入ったグラスにジンとレモンジュースをそそぎ、ジンジャーエールで満たします。マドラーなどで軽くかきまぜてレモンを飾れば完成!
レモンの量は好みで調整してOKです。

ジンバックの由来は諸説ありますが、一説にはバック(Buck)とは雄鹿のことで「雄鹿にキックされたように刺激的なカクテル」であることから名づけられたといわれています。

ジンバックのおすすめアレンジは、緑茶を入れる「グリーンティー・ジンバック」。ジンバックに緑茶を適量プラスするだけで、まろやかで飲みやすいカクテルに変わります。
緑茶に含まれるカテキンには粘膜を保護する作用があり、アルコールを分解するために必要なビタミンCも緑茶に含まれているので、健康のためにも優しいアレンジです。

すっきり爽快!辛口カクテル【ジンリッキー】


辛口ですっきりした味わいのジンリッキーは、甘いカクテルが苦手な方におすすめ。甘みがなく、ライムのフレッシュな風味とソーダの炭酸が爽快感のあるカクテルです。

    材料

  • ドライジン45ml
  • ソーダ(炭酸水)適量
  • ライム
作り方

グラスにライムを絞り、中に落とします。ジンと氷を入れ、ソーダで満たしてマドラーなどで軽く混ぜたら完成です。

ジンリッキーの由来は諸説ありますが、アメリカの「シューメーカー」というレストランでジム・リッキー氏が最初に飲んだからジンリッキーと名付けられたという説が有名です。
またもう一説には、米軍将校のジョー・リッキー氏が愛飲していたことからジンリッキーと名付けられた説もあります。

ライムが手に入らないときは、カボスやすだちに変えて和風ジンリッキーにアレンジするのもおすすめです。

さわやかで飲みやすい【ジンフィズ】


レモンの酸味とほどよい甘みが爽やかで飲みやすいジンフィズ。カクテル初級者や強いお酒が苦手な女性でも、美味しくて何杯でも飲めてしまうカクテルです。

    材料

  • ドライジン45ml
  • レモンジュース(レモン果汁)20ml
  • シュガーシロップ10ml(なければ砂糖スプーン1杯)
  • ソーダ(炭酸水)適量
  • 飾り用レモン
作り方

シェイカーにジン、レモンジュース、シュガーシロップ(砂糖)を入れてシェイクします。グラスに注いだら氷を入れて、ソーダで満たし軽くかき混ぜたらレモンを飾って完成です。
シェイカーがない場合はステンレスのタンブラーでも代用できます。

ジンフィズは19世紀末、アメリカのニューオリンズでヘンリー・ラモス氏が初めて作ったカクテル。フィズ(fizz)とは炭酸がシューッと弾ける音を表す言葉で、ソーダの心地よい音からジンフィズと名付けられました。

ジンフィズのおすすめアレンジは、 レモンジュース15mlに減らしミルク30mlをプラスした會館風(かいかんふう)ジンフィズというレシピ。
會館ジンフィズとは、第二次世界大戦終戦後のGHQ統治下の日本で、アメリカ軍将校のバーとして使われていた東京會館で作られたカクテルです。
牛乳とレモンが固まらないようにシェイクするのが難しいカクテルですが、クリーミーで絶品なので試してみてください!

紅茶なしで紅茶の味わい【ロングアイランドアイスティー】


紅茶が一滴も入っていないのに紅茶の味がするので「魔法のカクテル」と呼ばれているロングランドアイスティー。レモンジュースやコーラが爽やかで飲みやすいカクテルですが、実はすごくアルコール度数が高いので飲むときは気を付けましょう。

    材料

  • ドライジン15ml
  • ウォッカ15ml
  • ラム15ml
  • テキーラ15ml
  • ホワイトキュラソー15ml
  • レモンジュース(レモン果汁)30ml
  • コーラ40ml
  • クラッシュドアイス(なければ氷)適量
作り方

グラスにジン、ウォッカ、ラム、テキーラ、ホワイトキュラソー、レモンジュースを入れて軽くかき混ぜ馴染ませます。クラッシュドアイスを入れ、コーラで満たしてもう一度軽くかき混ぜたら完成です。

ロングアイランドアイスティーの由来は、1970年代にニューヨーク州ロングアイランドでバーテンダーのロバート・バッツ氏が考案したカクテルといわれています。また一説には、テネシー州のロングアイランドという街の名前から名付けられたともいわれ、諸説あるようです。

レモンを多めにしてレモンティー風味に作ったり、お酒の量を全体的に減らしてコーラを多めに作ったり…アレンジは自由自在。自分好みのロングアイランドアイスティーを作ってみてください!

世界一美しいカクテル【シンガポールスリング】


世界一美しいシンガポールの夕焼けを表現して作られたシンガポールスリング。ピンクでトロピカルな見た目が美しく、フルーティーで美味しいので女性に人気があります。

    材料

  • ドライジン45ml
  • チェリーブランデー15ml
  • レモンジュース(レモン果汁)20ml
  • 砂糖 1ティースプーン
  • ソーダ(炭酸水)適量
  • 飾り用パイナップル、チェリー
作り方

ソーダ以外の材料を全てシェイカーに入れてシェイクし、氷の入ったグラスに注ぎます。ソーダで満たして軽くかき混ぜ、パイナップルやチェリーを飾って完成です。

シンガポールスリングは1915年に、シンガポールのラッフルズホテルで生まれたカクテルです。
イギリスの小説家サマセット・モームが「東洋の神秘」と称えたことでも知られており、今でも本場のシンガポールスリングを求めて世界中のカクテルファンがラッフルズホテルに集まっています。

ラッフルズホテルのロングバーではパイナップルジュースやグレナデンシロップをプラスしたレシピが使われています。本場の味に似せたアレンジもチャレンジしてみてください。

綺麗なエメラルド色のカクテル【エメラルド・クーラー】


カクテル名の通り、宝石のような緑色が美しいエメラルドクーラー。見た目が綺麗なだけでなく、レモンジュースやペパーミントのさわやかな味わいが魅力のカクテルです。

    材料

  • ドライジン30ml
  • グリーン・ペパーミント15ml
  • レモンジュース(レモン果汁)15ml
  • シュガーシロップ 1ティースプーン
  • ソーダ(炭酸水)適量
  • 飾り用チェリー
作り方

ソーダ以外を全てシェイカーに入れてシェイクします。氷を入れたグラスに注いだらソーダで満たして軽くかき混ぜ、チェリーを飾って完成です。

エメラルドはクレオパトラを虜にした神秘的な宝石。5月の誕生石で宝石言葉は「幸運」なので、バーでエメラルドクーラーを恋人や家族にプレゼントしても素敵ですね。

自宅でエメラルドクーラーを作るときは、チェリーだけでなくレモンやミントを飾って見た目にも美しく仕上げましょう

世界で定番の食前酒【ネグローニ】


赤くて綺麗な見た目ですが、ビターで大人な味わいのネグローニ。日本ではあまり知られていないですが、実は食前酒として世界中で人気があるイタリアンカクテルです。

    材料

  • ドライジン30ml
  • スイートベルモット30ml
  • カンパリ30ml
  • 飾り用オレンジ
作り方

グラスに氷を入れ、オレンジ以外の材料を入れて軽くかき混ぜます。最後にカットしたオレンジをグラスに添えれば完成です。

イタリアフィレンツェのレストランでネグローニ伯爵が食前酒として愛飲していたカクテルで、1962年に伯爵の名前にちなんで名付けられました。その後世界中に広がり、食前酒の定番カクテルとして愛され続けています。

アルコールだけしか使っていないカクテルなので、飲んでみて強過ぎると感じた場合はオレンジジュースをプラスしてストロベリーを飾る「ストロベリー・ネグローニ」にアレンジするのがおすすめです。フルーティーなテイストに変化して、とても飲みやすくなります。

「砂漠の治療師」フルーティーな味わい【デザートヒーラー】


デザートヒーラーとは「砂漠の治療師」という意味で、乾いた喉を潤し癒しを与えてくれます。喉が乾いているときに飲みたくなる、フルーティーで甘酸っぱい爽快カクテルです。

    材料

  • ドライジン30ml
  • チェリー・ブランデー15ml
  • オレンジジュース30ml
  • ジンジャーエール適量
  • 飾り用オレンジ
作り方

ジン、チェリー・ブランデー、オレンジジュースをシェイカーに入れてシェイクし、グラスに注ぎます。氷を入れてジンジャーエールで満たしたら、軽くかき混ぜてオレンジを飾って完成です。

デザートヒーラーは夏に飲みたいカクテル。見た目もおしゃれなカクテルで飲みやすいので、女性からも人気があります。

ジンジャーエールではなく、炭酸がまろやかで生姜の風味が濃厚なジンジャービアを使うアレンジもおすすめ。ジンジャービアはイギリスやニュージーランドではメジャーなドリンクで、日本では通販で手に入れることができます。

東京をイメージしたビターカクテル【カフェ・ド・トーキョー】


東京をイメージして作られた、ほろ苦い大人なカクテルのカフェドトーキョー。後味に残るレモンの酸味とジンジャーエールのさわやかな喉越しが気持ち良く、夏や昼間に飲みたくなるようなカクテルです。

    材料

  • ジン30ml
  • カンパリ15ml
  • ガリアーノ 1ティースプーン
  • レモンジュース(レモン果汁)15ml
  • ジンジャーエール適量
  • 飾り用オレンジ
作り方

シェイカーにジン、カンパリ、ガリアーノ、レモンジュースを入れてシェイクします。氷の入ったグラスに注いでジンジャーエールで満たし、軽くかき混ぜたらオレンジを飾って完成です。

カフェドトーキョーは、アメリカで1973年に開催された国際カクテルコンペティションにおいてロング部門3位を受賞した由緒あるカクテルです。

スパイシーでほのかに甘いガリアーノは、ボトルが大きくてなかなか用意できない場合もあります。ガリアーノがないときはレシピを柑橘系のコアントローに変えて作ると、飲みやすくなるのでおすすめです。

【ショート】ジンベースカクテル10選


氷が入っていないので、冷えているうちに短時間で味わうショートドリンク。ジンベースのショートドリンクは、マティーニやギムレットなど有名なカクテルが多くあります。
では、ジンベースのショートドリンク10選を見ていきましょう。

「カクテルの王様」人気NO.1カクテル【マティーニ】


「カクテルの王様」と呼ばれているマティーニは、映画や小説でも度々登場する有名なカクテル。キリッと辛口でアルコール度数が高く、上級者向けのカクテルです

    材料

  • ドライジン45ml
  • ドライベルモット15ml
  • オリーブ
  • レモンピール(レモン皮)
作り方

ミキシンググラス(なければ大きめのグラス)に氷を入れ、氷を軽くかき回しながらまずはグラスをしっかり冷やしましょう。グラスが冷えたら氷が溶けた水を捨て、ドライジンとドライベルモットを冷えたミキシンググラスに入れて軽くかき混ぜます。カクテルグラスに注いだらオリーブを沈め、レモンピールを指でつまみ軽く香り付けして完成です。

マティーニの由来は諸説あり、1910年代にニューヨークでマルティーニ氏が考案したとされる説と、マティーニに使用された白ワインに香草やスパイスを配合して作られる「ベルモット」がマルティーニ・エ・ロッシ社のものであった説があります。

マティーニは作り手によってかなりレシピや味わいが変化します。決して飲みやすいカクテルではないので、飲み手にも経験値が必要です。

マティーニのアレンジレシピはたくさん存在しますが、ドライベルモットをスイートベルモットに変えた「スイート・マティーニ」が有名なアレンジです。また、ドライベルモットとスイートベルモットを両方使用した「パーフェクト・マティーニ」も香り高くまろやかな風味が楽しめます。

スイートで淡麗【ギムレット】


ジンとライムジュースのシンプルなカクテル「ギムレット」は、ほんのり甘くキレのある淡麗な味わい。シェイクによりジンの刺激がまろやかになるので、ジンベースのショートドリンクを初めて味わってみたいという方におすすめのカクテルです。

    材料

  • ドライジン45ml
  • ライムジュース(ライム果汁)15ml
作り方

シェイカーにジンとライムジュースを入れてしっかりシェイクし、カクテルグラスに注いで完成です。

ギムレットの由来も諸説あり、一説には1890年頃イギリス海軍の軍医であったギムレット卿が、ジンを健康的に飲むためにライムジュースを混ぜて飲むよう提唱したといわれています。また、ギムレットとは工具の錐(キリ)という意味があり、突き刺すように刺激的な味わいなので命名されたという説もあります。

ギムレットが考案された当初はフレッシュライムが貴重な時代だったため、ライムジュース・レモンジュース・砂糖をミックスしたシロップ「コーディアルライム」を使用していました。今ではフラッシュライムを使うのが一般的ですが、本物の味を求めてコーディアルライムを使用するアレンジもチャレンジしてみてください。

刺激的でほのかに甘い【アラスカ】


薬草リキュールと呼ばれている「シャルトリューズ」を使った、刺激的な口当たりのアラスカ。基本レシピに使われるシャルトリューズ・ジョーヌは蜂蜜の甘味が強くまろやかなリキュールなので、アラスカは後味にほのかな甘みと強いアルコールのテイストが感じられます。

    材料

  • ドライジン40ml
  • シャルトリューズ・ジョーヌ20ml
作り方

お酒を混ぜるための大きめのグラス「ミキシンググラス」に氷を入れてかき回し、まずはグラス自体を冷やします。氷が溶けた水を捨てたらドライジンとシャルトリューズ・ジョーヌを入れてかき混ぜ、冷えたカクテルグラスに注いで完成です。

アラスカは1920年代に、アメリカでハリー・クラドック氏が考案したカクテルです。度数が35度〜43度ほどと非常に高いので、アルコールが苦手な方にはおすすめできません。

アラスカのアレンジとしては、シャルトリューズ・ジョーヌをシャルトリューズ・ヴェールに変える「グリーンアラスカ」が人気です。薄いエメラルドグリーンが美しく、スパイシーで爽快な味わいなりますが、普通のアラスカよりもさらにアルコール度数が高いので上級者向けのカクテルです。

「レディーキラー」カカオ風味の甘口カクテル【ルシアン】


チョコレート風味で飲みやすいルシアンはアルコール度数が意外と高く、女性をいつのまにかダウンさせてしまう「レディーキラー」のカクテルといわれています。ジンとウォッカの刺激をカカオリキュールまろやかに包み込んでくれるので飲みやすいですが、飲み過ぎには気を付けましょう。

    材料

  • ドライジン20ml
  • ウォッカ20ml
  • クレーム・ド・カカオ20ml
作り方

シェイカーに材料を全て入れてシェイクし、カクテルグラスに注いで完成です。

ルシアンは「ロシア人」という意味で、ロシアのお酒であるウォッカが使われていることから「ルシアン」と付けられたといわれています。

ウォッカとカルーアで作る「ブラックルシアン」や、ブラックルシアンに生クリームをプラスした「ホワイトルシアン」というカクテルがありますが、ルシアンとは異なりジンは入っていません。

スタンダードなジンベースのルシアンに生クリームを入れたものは「ルシアンベア」と呼ばれています。スイーツのような甘いお酒が好きな方にオススメのアレンジです。

情熱的でスイート【タンゴ】


オレンジの香りや甘みが芳醇で情熱的なタンゴドライジンとベルモット、オレンジが絶妙なバランスで、二拍子の舞曲に合わせてタンゴを踊りだしたくなるような味わいのカクテルです。

    材料

  • ドライジン25ml
  • オレンジキュラソー5ml
  • ドライベルモット10ml
  • スイートベルモット10ml
  • オレンジジュース10ml
作り方

シェイカーに全ての材料を入れて氷と一緒にシェイクします。カクテルグラスに注いで完成です。

タンゴは、パリでアメリカ人に人気のバー「ハリーズ・ニューヨーク・バー」でハリー・マッケルホーン氏により考案されました。当時のパリにアルゼンチンタンゴが伝わり、流行に合わせて作られたといわれています。

ジンとベルモットは「カクテルの王様・マティーニ」の組み合わせ素晴らしい相性のカクテルをオレンジの香味成分と糖分が加えられたリキュール「オレンジキュラソー」とオレンジジュースの芳醇な香りと甘味が包みます。強いお酒が苦手な方にも試してもらいたいショートドリンクです。

塩イン!クセになる味わい【ソルティドッグ オールドスタイル】


ソルティドッグといえばウォッカベースでグラスの口に塩がついている「スノースタイル」が有名ですが、「オールドスタイル」はジンベースで塩がカクテルの中に入っています。口に含んだ瞬間に感じる塩気やグレープフルーツのさっぱりした爽快感がクセになるカクテルです。

    材料

  • ドライジン40ml
  • グレープフルーツジュース(グレープフルーツ果汁)90ml
  • 塩ひとつまみ
作り方

シェイカーに全ての材料を入れてシェイクします。グラスに注いだら完成です。

ソルティドッグは1940年頃に生まれたカクテルです。当時汗まみれで働く甲板員のことをイギリスのスラングで「ソルティドッグ」と呼び、当時イギリス軍は甲板員にジンを支給して健康のために柑橘類のジュースと一緒に飲むことを推奨していました。走っている船上で酒に海水のしぶきが入ったことがソルティドッグの始まりと言われています。1960年代にアメリカに入り、のちにウォッカベースのソルティドッグが本格的に流行しました。

ソルティドッグはもともと、グレープフルーツジュースではなく、ライムジュースが使用されており「ソルティドッグコリンズ」と呼ばれるカクテルでした。ソルティドッグオールドスタイルよりもさっぱりとした、ソルティドッグコリンズにアレンジするのもおすすめです。

ビターな大人のカクテル【ベネット】


ドライジンとライムジュースをシェイクして作るギムレットに、苦味の強い薬草酒「アンゴスチュラビターズ」と砂糖をプラスした大人なカクテル。ビターな風味がさわやかなギムレットを引き締めて、大人な味が楽しめる少しマニアックなカクテルです。

    材料

  • ドライジン45ml
  • ライムジュース(ライム果汁)15ml
  • アンゴスチュラビターズ15ml
  • 砂糖1ティースプーン
作り方

全ての材料をシェイカーに入れてシェイクし、グラスに注いだら完成です。

ベネットの由来は定かではなく1920年頃にはあったとされるクラシカルなカクテルで、「ベネット」とは人名といわれています。

レシピから砂糖を抜いて「オールドトムジン」という甘みの強いジンを使用するレシピもおすすめです。

おしゃれカクテルの代表格【ブルー・ムーン】


すみれ色のおしゃれなショートドリンクの代表格ともいえるブルームーン華やかな香りと柑橘系のほのかに甘い味わいですが、アルコール度数が強めのテイストです。

    材料

  • ドライジン30ml
  • バイオレットリキュール(ボルス社パルフェタムール)15ml
  • レモンジュース(レモン果汁)15ml
作り方

全ての材料をシェイカーに入れ、強くシェイクします。カクテルグラスに注いで完成です。

ブルームーンとは1か月に2回満月が出る現象のことで、英語の慣用句で「once in a blue moon(滅多にないこと)」という意味があります。ブルームーン誕生の由来は分かっていませんが、カクテルのブルームーンも神秘的な意味を秘めているのかもしれません。

「飲む香水」と称されるパルフェタムールというバイオレットリキュールを使用しており、ブルームーン自身も美しい色のカクテルなので「飲める宝石」と呼ばれ、特に女性から愛されています。

ブルームーンをアレンジするなら、レモンピール(レモンの皮)をスライスして浮かべるのがおすすめ。レモンピールのさわやかな香りがプラスされ、月が浮かんだようなロマンチックな見た目になります。

シャープでアルコール度数が高い【ホワイト・レディ】


ホワイトレディという清楚なカクテル名とは裏腹に、アルコールが強いテイストのカクテル。オレンジベースのリキュール「コアントロー」とレモンジュースがジンのボタニカルを引き立てます。

    材料

  • ドライジン30ml
  • コアントロー15ml
  • レモンジュース(レモン果汁)15ml
作り方

シェイカーに全ての材料を入れ、強めにシェイクします。冷やしたカクテルグラスに注いで完成です。

ホワイトレディは1919年、当時ヨーロッパでいちばんのおしゃれスポットだったロンドンのシローズ・クラブで名バーテンダーのハリー・マッケンホルンにより考案されました。最初はジンではなくミントリキュールを使っていたのですが、1925年にハリー・マッケンホルンがパリへ渡ってからドライジンにレシピを変えて完成されたカクテルです。

ベースのジンをブランデーに変えると「サイドカー」ウォッカに変えると「バラライカ」ラムに変えると「XYZ」というカクテルになります。

ホワイトレディに使われるコアントローをゆずリキュールに変えてゆずピール(皮)を浮かべる和風アレンジや、レモンジュースをライムに変えてフレッシュな風味をつけるなど、さまざまなアレンジ方法があります。
スタンダードなホワイトレディを味わったら、アレンジしながら自分好みの味わいを見つけてみてください。

まったり甘い華やかカクテル【ピンク・レディー】


ピンクの見た目が美しいピンクレディは、こってり甘いカクテル。卵白入りの個性的なカクテルで、ドライジンのシャープさを和らげた優しい味わいです。

    材料

  • ドライジン45ml
  • グレナデンシロップ15ml
  • 卵白1個分
作り方

シェイカーににドライジン、グレナデンシロップ、卵白を入れ、シェイクする前にマドラーなどで卵をとくように軽くまぜます。シェイカーに氷を入れてしっかりと強めにシェイクし、カクテルグラスに注いで完成です。

ピンクレディは1912年にロンドンで公演された舞台「ピンクレディ」の大ヒットを記念して作られたカクテルです。舞台の打ち上げパーティーで主演女優のヘーゼル・ドーンに捧げられました。

日本のアイドル「ピンク・レディー」の由来になったカクテルで、アイドル活動の全盛期はカクテルのピンクレディもブームになったことでも知られています。

ピンクレディのレシピにレモンジュースを追加すると「クローバークラブ」というカクテルになります。ピンクレディと似ていて混同されることも多いカクテルなので、飲み比べて味わいの違いを実感してみてください。

奥が深いジンの味を思い切り楽しもう


ジンはジュニパーベリーで香りづけした蒸留酒で、原料になる穀物や香りづけに使う「ボタニカル」と呼ばれる植物成分は自由。ジンほど自由に造れるお酒はあまりないので、銘柄によって香りや味わいの違いを楽しめるのがジンの大きな魅力です。

ジンベースのカクテルはジントニックが有名ですが、実はたくさんの種類があります。特にロングドリンクはシェイカーを使わずに簡単に作れるカクテルも多いので、ぜひ自作カクテルにチャレンジしてみてください。ほとんどのジンベースカクテルの基本レシピはドライジンで作るものばかりなので、
まずはドライジンを購入してみるのがおすすめです。

バーでジンベースのカクテルを飲む場合は、ロングドリンクは時間をかけてショートドリンクは冷えているうちに短時間で飲むのが一般的。ショートドリンクはアルコールが強いものが多いので、強いアルコールが苦手ならまずはロングドリンクから始めましょう。

ジンについてまとめると、以下の6点が主に抑えておきたいポイントです。

  • ジンは蒸留酒を使用しジュニパーベリーで香りづけする以外は何を使ってもいい
  • ジンほど自由なお酒はないので銘柄による違いが楽しめる
  • ジンに香りづけする植物を「ボタニカル」と呼ぶ
  • ほとんどのショートドリンクはアルコールが強いので注意
  • ロングドリンクは自分で簡単に作れるものが多い
  • ジンベースカクテルの基本レシピはほとんど辛口の「ドライジン」が使われる

ジンベースのカクテルについて知識を広げれば、お酒を飲むのがもっと楽しくなります。自作カクテルを試したり、バーで本格的な味を嗜みジンの魅力を深めていきましょう!