本場発祥?「ワイン水割り」作り方解説|水割り向きおすすめワイン5選

「ワインを水割りで飲むって聞いたんだけど美味しいの?」
「ワインの水割りの上手な作り方を知りたい!」
水割りというと焼酎やウイスキー。「ワインの水割り」という飲み方があることを知らない人も多いですよね。


今回は、ヨーロッパで昔から飲まれているワインの水割りの作り方や美味しい配合割合などを紹介します 。水以外の物で割るのも美味しいですよ。
「軽いお酒が飲みたい、でも味や香りがしっかりしたものがいい」という時、ワインの水割りの作り方を知っておくと便利です。


海外のレストランでもメニューにあるワインの水割り。アルコールを抑えられるので、レシピを覚えたらパーティーで酔わないスマートな飲み方が身につきます!

ワインの水割りは「本場発祥」の楽しみ方だった!


「ワインの水割りなんて邪道」と思われるかもしれませんが、ワインの水割りの発祥はワインの本場ヨーロッパです。
フランス皇帝「ナポレオン・ボナパルト」や哲学者「ソクラテス」もワインを水割りで飲んでいたと言われ、古くから親しまれていた飲み方だということが分かります。
今でもヨーロッパのレストランメニューにワインの水割りはごく当たり前に載っています。フランスやドイツといった国々ではメジャーなドリンクなのです。


ドイツでは炭酸水で割ったものを「ヴァインショルレ(Weinschorle)」と呼びます。水で割ることでアルコール度数が下がり、さっぱりと飲みやすくなるのが特徴です。

ワインの水割りを美味しく飲む方法

続いて、美味しく味わうためワインの水割りの作り方を紹介します。

ワインと水は1:1で割る


ワインと水のベストな割合は1:1。水が多すぎると、ワイン本来の風味が味わえなくなるので注意してください。
氷が解けると味も薄くなってしまうので、氷を入れる場合は少し少な目にしておくと美味しく味わえますよ。

ワインはフルーティーなものを選ぶ


水割りにするならフルーティーなものや濃厚なワインを選びましょう。さっぱりと美味しく飲むことができます。
ただ、「濃厚なワイン」=「渋みの強いワイン」ではないので注意が必要です。渋みの中にはっきりとした香りのバランスが整っているものでなくてはいけません。
香りが薄いと、水で割ったとき味などは薄まり、渋みだけが強調され飲みにくくなってしまいます。


水割りに限らず何かと割るときは、フルーティーで酸味のあるタイプの白ワインや、タンニンが少なめで香りを邪魔しない赤ワインを選びましょう。オーストラリア、カリフォルニア、チリなど、ブドウがしっかりと熟しフルーティーなワインとなる温暖な環境で作られたワインがおすすめです。


おすすめのブドウの品種は赤ワインなら「カベルネ・ソーヴィニヨン」や「シラーズ」、白ワインなら「シャルドネ」です。

それぞれの品種をまとめました。

  • カベルネ・ソーヴィニョン…酸味が強く、甘いケーキのトッピングによく使われるカシスのような香りがします。強い果実味を持っていて、ブドウそのものの味が楽しめます。
  • シラーズ…ブルーベル―やクランベリーと言った、ベリー系に近い香りがします。味はなめらかでコクがあり、口に含むとさっと酸味が消えて濃い香りが残ります。
  • シャルドネ…トロピカルフルーツのような香りが特徴で飲みやすい白ブドウです。すっきりとした味わいがします。

ワインの温度は冷やしてOK


ワインは赤ワインでも白ワインでも冷蔵庫で冷やしたものを使用してOK。割るときは氷を入れることが多いので、冷やしておいた方が美味しい状態で長く飲めます。

ワインの水割りにおすすめのワイン5選

ワインの水割りにおすすめな5銘柄を紹介します。ブドウの品種はカベルネ・ソービニョン、シラーズ、シャルドネ、産地はオーストラリア、カリフォルニア、チリなど気候が穏やかで味が安定している地域のものがいいでしょう。
フランス産も品質の良い物を2つ紹介しています。参考にしてください。

フツール感の強い香りが特徴の白ワインの女王 【ピア・ドール シャルドネ】


はっきりとした柑橘系の香りを持っているので、水で割ると爽やかな一杯になります。シャルドネは環境の影響を受けやすく産地によって香りが変わるのですが、ピア・ドールは特にオレンジやグレープフルーツの様にすっきりと強い香りがするのが特徴です。
生ハム、チーズなどの定番のおつまみとの相性は抜群。仕事終わりのご褒美家飲みに最適です。
おすすめと紹介した産地の物とは異なりますが、水で割ってもしっかりとした香りが残って美味しいドリンクになります。

価格 800円
品種 シャルドネ
味わい 甘口
生産 フランス・ブルゴーニュ

酸味と渋みの絶妙なバランス【ロス・ヴァスコス】


フランス、ボルドー地方の有名なワイン生産者、「ロートシルト」が手がけるチリの赤ワイン。バランスのよい酸味と香りを持っています。
口当たりがとろりしてと優しい特徴がありますが、タンニンが多めなので渋みも強いです。水割りにすることで渋みが穏やかになり飲みやすくなりますよ。
テーブルワインとして普段の食卓に使うのに最適な銘柄でもあります。名門シャトーの製法を受け継いだ、新世界産のスタイリッシュなワインです。

価格 1468円
品種 カベルネ・ソーヴィニョン
味わい 辛口、渋み・コク中程度
生産 チリ

程よい渋みと花の香りの上品な一本【イエローテイル】


ブドウのタンニンがもたらす渋みと、ベリーやバニラ、花のような香りのバランスが絶妙な一本です。果実味が強く、非常にインパクトの強い味わいをしているので、水で割っても十分味と香りを楽しめます。
ワイン初心者で、手頃に楽しめる物を探している人におすすめ。渋みが優しく、すっと口の中に広がる香りが特徴です。

価格 1080円
品種 シラーズ
味わい 辛口。渋みは少し感じる程度
生産 オーストラリア

フルーティーと言えばこの一本【ベリンジャー ヴィンヤーズ ピノノワール】


一口飲んだらブドウの果実味ががつんと来る、うま味がギュッと詰まったカリフォルニアの赤ワインです。
カリフォルニアでは、人工的に畑の水分量をコントロールする灌漑(かんがい)農法を行っていることと、日照時間の長さから濃い味のブドウ栽培を可能にしています。
はっきりとした味のワインなので、水で割っても物足りなくありません。濃厚な味わいなので味の濃い肉料理に合わせるのがおすすめです。ピノ・ノワールというブドウの美味しさがダイレクトに伝わる一本です。

価格 2399円
品種 ピノ・ノワール
味わい 辛口・渋み中程度
生産 アメリカ

すっきりとした辛口の伝統白ワイン【ウィリアムフェーブル】


シャブリ地方で生産される、はっきりとした辛口が特徴の伝統的な白ワインです。味わいがすっきりとしているので、水で割っても飲み口が爽やか。
辛口なので、魚や和食、軽食に合わせて飲むのがおすすめ。おすすめの地域とは産地が違いますが、自然な辛みを持っているので水割りに向いている一本です。

価格 2309円
品種 シャルドネ
味わい 辛口
生産 フランス

ロックやお湯割りはあり?ワインの美味しい飲み方


水割りがOKなので、もちろん氷を入れて飲むロックもOK。「じゃあお湯割りはどうなの?」と疑問に思われる方も多いですよね。
実は、お湯割りはあまりメジャーではありません。その代わり、シナモン、クローブなどのスパイスやレモンを加えて、沸騰しないように温めた「ホットワイン」が親しまれています。
フランスでは「ヴァン・ショー」、イギリスでは「モルドワイン」と呼ばれ、寒さの厳しい北部ヨーロッパの冬の定番です。クリスマスシーズンには、屋台でふるまわれることも。


ではお湯割りで飲む人はいないのでしょうか?SNSなどを使い追加調査を重ねました。

結果、実際にお湯割りで楽しんでいる人はいる様子ですね。
味の濃い赤ワインならお湯で割っても風味が落ちにくいのと、キャンプの夜のおしゃべりに、身体を温めてくれる軽いアルコールは好まれるようです。
美味しくのむコツは、お湯4:ワイン1でかなり薄めにすること。かなり薄く感じますが、温めまることで香りやコクが濃厚になっているので薄めても十分美味しく飲めるとのことです。フルーツやシナモン、はちみつなどを加えて飲むとさらに味が変化するのでいろいろな楽しみ方ができます。

水割り以外も!おすすめのワインカクテル4選

ワインは水で割る以外にもジュースやリキュールなどで割るワインカクテルにも美味しいものが多いです。

【赤ワイン】ジンジャーエールと割る「キティ」


赤ワインをジンジャーエールで割ったものを「キティ」と言います。甘く、さっぱりしていて女性に好まれる飲み方です。
キティとは英語圏で子猫を意味する言葉で、炭酸の弾ける様子がすばしっこい子猫を連想させるところから付いたという説があります。


白ワインで割ったものは、一説によると飛行機の機関士が好んで飲んだことから「オペレーター」とも呼ばれます。
甘味が足されて飲みやすくなっているのですが、レモン果汁を足すと一気に辛みが強まって、また違った味わいになります。

    【レシピ】

  • キティ…赤ワイン、ジンジャーエールを「1:1」で割る
  • オペレーター…白ワイン、ジンジャーエールを「1:1」で割る。好みでレモン果汁を少したらす

【赤ワイン】オレンジジュースと割る「ワインクーラー」


赤ワインをオレンジジュースで割った「ワインクーラー」は、強いお酒が苦手な人におすすめの一杯。
パーティーで残ったワインを美味しく飲み切る方法としても向いています。色合いもかわいらしいピンク色で、女子会のドリンクにするのもいいですね。


白のスパークリングワインをオレンジジュースで割ったものは「ミモザ」。華やかな黄色をした花の名前です。炭酸で香りがふわりと広がるので、度数は軽いのに満足の行く一杯です。
絞ったオレンジを使うとよりフレッシュに味わえます。甘味と酸味のバランスが非常にいい愛されカクテルです。

    【レシピ】

  • ワインクーラー…赤ワイン、または白ワインとオレンジジュースを「5:1」で割る。お好みで氷を入れて
  • ミモザ…スパークリングワイン、オレンジジュースを「1:1」で割る

【白ワイン】カシスと割る「キール」


食前酒としてパーティーでふるまわれることも多いのがキールです。
マスタードの名産地としても名高いフランス、ディジョン市の市長がワインの販促のために考案した飲み方です。なのでワインと相性がいいのは当たり前。


赤いワインにクレーム・ド・カシスを加えたものは「カーディナル」とも呼ばれます。カーディナルとは「枢機卿(すうききょう)」というカトリックの高位聖職者のこと。彼らのまとう赤いローブの色に見立てた名称です。
スパークリングワインを用いたものは「キールロワイヤル」。ロワイヤルとは、「王室」を意味する言葉です。一般的なワインよりも高価なスパークリングワインを使うことから、格調高い名前になりました。


カシスリキュールをフランボワーズリキュールに変えると「キールアンペリアル」に、ブルーキュラソーリキュールに変えると「シャンパンブルース」というかっこいい名前に変わります。
キールには氷を入れないのがルールです。なので、事前にワインやクレーム・ド・カシスをしっかり冷やしておきましょう。
リキュールの原料になるベリーの種類を変えるだけでも様々な味わいが楽しめる、パーティーの素敵な盛り上げ役です。

    【レシピ】

  • キール…白ワイン100ml、クレーム・ド・カシス20mlを混ぜる
  • カーディナル…赤ワイン100ml、クレーム・ド・カシス20mlを混ぜる
  • キールロワイヤル…スパークリングワイン100ml、クレーム・ド・カシス20mlを混ぜる

【白ワイン】ソーダと割る「スプリツァー」


スプリツァーは最も一般的なワインカクテルです。イギリスの故ダイアナ元妃が愛飲されていたと言われ、生前は彼女のファンの間で一大ブームを起こしました。
作り方も簡単で、白ワインとソーダを1:1で割るだけ。お好みでライムを絞ると香りが引き締まります。


赤ワインに変えたものは、スプリツァールージュ、またはティント・デ・ベラノと言います。「ティント・デ・ベラノ」とはスペイン語で「夏の赤ワイン」という意味。文字通り暑さを避けて爽やかな時間を過ごすのに最適な一杯です。
赤ワイン特有のタンニンの渋みが、炭酸の泡でまろやかになり飲みやすいのが特徴。レモンスライスを一枚浮かべると色どりもきれいです。

    【レシピ】

  • スプリツァー…白ワイン、ソーダを「1:1」で割る
  • ティント・デ・ベラノ…赤ワイン、ソーダを「1:1」で割る

ワインは水割りでさらに楽しみ方を増やせる!


ワインの水割りは、古くから多くの人に愛された飲み方でした。ワインカクテルとしても様々なものがありましたね。
アルコールが高めのワインをすっきり味わうのには最適な方法で、パーティーの時にもおすすめです。
水割りで楽しむには、香りや渋みが強めのものを選ぶのがポイント。今回紹介したワインを使って、ぜひ美味しい配合を試してみてください。